青学大3冠秘策 山の神不在「区間5位以内、区間賞から1分前後で」

[ 2016年12月18日 05:30 ]

箱根3連覇を目指す青学大メンバー(前列左から)原監督、安藤悠、秋山、池田、一色、村井、茂木、貞永、下田(後列同)田村、中村、吉永、小野田、梶谷、林、森田、鈴木
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 “山の神”不在でも勝つ。来年1月2、3日の第93回箱根駅伝で3連覇と大学3大駅伝3冠を狙う青学大が17日、神奈川県の相模原キャンパスで会見。15、16年と山上りの5区を担った神野大地(現コニカミノルタ)が卒業し、貞永隆佑(3年)、梶谷瑠哉(2年)、茂木亮太(4年)が5区に名乗りを上げた。原晋監督(49)が求める区間5位以内、区間賞から1分前後で重要区間を乗り切れば、偉業が見えてくる。

 山上りの候補は決まっている。だが、いずれも神の域には達していない。5区で15年に区間新記録のスーパーラン、故障に苦しんだ16年も区間2位でまとめた神野が卒業。原監督は「今の青山に神はいません。5区は頭から神野の存在を切り離して、区間5位以内、区間賞から1分前後でつないでくれれば」と戦略の一端を明かした。

 名乗りを上げたのは貞永、梶谷、茂木の3人。原監督の現時点の序列では貞永と梶谷が並び、茂木が追う。貞永が「神野さんの後というプレッシャーはない。自分は自分でチームに貢献したい」と言えば、「自分の持てる力を出せれば、チームが勝ってくれる」と梶谷。1年から度重なる故障を経験してきた茂木は「我慢すること、乗り越えることは得意」と気合を入れた。指揮官も「3人とも粘り強いし、諦めない」と期待を寄せる。

 今大会から5区が23・2キロから20・8キロになり、4区が18・5キロから20・9キロになる。5区の距離が短くなるが、重要区間であることは変わらない。候補3人に堅実な走りを求める一方で、怖いのが他校に“山の神”が降臨すること。「“山の神出ない頼み”ですよ。神が出てきたら白旗。神は休暇届を出していてほしい」と原監督。東海大は5区に1年の館沢を起用する可能性があり、「(東洋大の)柏原も1年から上っていたから」と警戒を強めた。

 1万メートルの平均タイムは出場チーム中トップで、圧倒的な戦力を誇る。出雲、全日本を制したチームにとって、唯一の不安が5区。「最終的に誰を走らせるかは、原監督の嗅覚に頼るしかないですね」と指揮官は不敵に笑う。目指す3連覇&3冠の「3」、自身「9」度目の箱根のタクトで掲げたテーマは“サンキュー大作戦”。フレッシュグリーンのタスキに感謝の気持ちも込め、神不在の山を乗り越える。

 【箱根の山の神列伝】

 ☆今井正人(順大)2年時の05年で5区初出場。当時史上最多の11人抜きを達成。06年では6位から5人抜きで往路優勝に貢献。主将として臨んだ07年も4分9秒差を逆転し、往路Vと総合優勝に貢献した。3年連続で大会MVPに当たる金栗杯を受賞。

 ☆柏原竜二(東洋大)1年時の09年で5区に登場。07年の今井の記録を47秒塗り替える区間新で8人を抜き初優勝に貢献。2年時の10年も6人抜きV。11年、12年も快走し同区間で史上2人目となる4年連続区間賞。金栗杯も1、2、4年時の3度受賞した。

 ☆神野大地(青学大)3年時の15年に5区初出場。コース変更で20メートル長くなったが、柏原の区間記録を破るスーパーランで往路Vに導いた。故障に苦しんで万全の状態ではなかった16年は区間賞は獲得できなかったが、区間2位の力走を見せた。

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