新ルール国内実施に課題 全日本選手権の導入に議論必至

[ 2016年12月16日 05:30 ]

 日本柔道最高峰の大会の価値が揺らぎ始める。今月9日に国際柔道連盟(IJF)が来年から採用する新ルールを発表。15日に都内で行われた全日本柔道連盟の理事会では、IJF指名理事も務める山下泰裕副会長から各理事に報告がなされた。

 リオ五輪前から議論されてきたという新ルールは、来年8月の世界選手権後に精査し、必要であれば変更が加えられる。そのルールが18年1月から施行され、20年東京五輪まで継続される。

 国内での施行時期は未定で、現場の混乱は必至。さらに大きな課題となりそうなのが全日本選手権と全日本女子選手権の位置づけだ。長い伝統と格式を誇る両大会は、世界選手権や五輪に向けた重量級代表の最終選考会でもある。ただし、いずれも国際試合にはない無差別級で行われ、6分の試合時間は国際ルールと2分も違う。旗判定による勝敗決定があるのも「技のポイントを重視する」というJUDOの方向性とは異なる。山下氏も難しい表情で「間違いのない代表選考をしたいというのと、全日本選手権、全日本女子選手権の価値を守るというのは相反するものがある」と語っており、今後は議論となりそうだ。

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2016年12月16日のニュース