柔道東京五輪へ一本の価値高める新ルール 有効廃止

[ 2016年12月11日 05:30 ]

リオデジャネイロ五輪の柔道男子100キロ超級で、テディ・リネール(下)と対戦する原沢久喜
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 国際柔道連盟(IJF)は9日、20年東京五輪に向けた新ルールを発表した。IJFはルール改正の目的を、攻撃を促進し、一本の価値を高めるためと説明。新ルール案は2月のグランドスラム・パリ大会から試験運用され、8~9月の世界選手権(ブダペスト)後に検証される予定だ。4年後の東京五輪に向けた強化においても大きな影響を及ぼしそうだ。

 新ルールは技の優劣が重視され、指導差だけで4分間が終了すれば時間無制限の延長に入る。指導は従来の4度目から3度目で反則負け。選手には今まで以上に攻撃的な姿勢が求められる。

 主な変更点は以下の通り。

 (1)有効の廃止&合わせ技一本消滅 3段階で区別していた技のポイントが「技あり」と「一本」に。従来の有効相当のポイントも技ありとなるが、技ありを重ねても一本とはならず、技あり2つによる合わせ技は消滅。お互い技ありだけなら、その数で勝負が決まるが、相手がいくら技ありを重ねても試合は終わらないため、一本で逆転できる。抑え込みでの技ありは15秒から10秒に短縮。20秒での一本は変わらない。

 (2)5分から4分への試合時間短縮 14年から4分だった女子同様に、男子も4分に統一される。混合団体戦の導入を見据えた措置だが、日本選手へのデメリットが大きいのはこのルールかもしれない。アテネ五輪100キロ超級金メダリストで、国士舘大の鈴木桂治監督は「自分もそうだったが、日本人は外国人のパワーをしのいで中盤以降に勝負する選手が多い。試合の組み立てが厳しくなる」とスタミナ面の優位性が失われる可能性を指摘した。

 (3)罰則の緩和 脚取りによる即反則負けは緩和し、1度目で指導を与え、2度目で反則負けを宣告する。審判の判断を分かりやすくするため、相手の袖口に指を入れるピストルグリップや相手の袖口を折り返して握るポケットグリップ、片襟といった組み手も攻撃の準備であれば指導対象にはならない。

 これまでも選手や指導者はIJFによるルール変更に対応を強いられてきた。今回は相手を投げ、倒した者が勝つという攻撃性を促す形で、「試合そのものが面白くなり、しっかりと技を掛ける選手が有利。一本勝ちを目指す日本には好影響だ」と全日本柔道連盟幹部は話す。一方で女子代表の秋本啓之コーチのように「結局はやってみないと分からない」という声もある。日本にとって新ルールを有利とするためにも早期の適応が求められる。

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