石川遼、世界で戦うための“新兵器”64度ウエッジでアプローチに磨き

[ 2016年12月8日 11:15 ]

日本シリーズJTカップ第3日、15番でティーショットを放つ石川
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 男子ゴルフの石川遼(25=CASIO)が来年1月の米ツアー復帰を見据えて新兵器を用意した。先週の国内ツアー今季最終戦、日本シリーズJTカップからロフト角64度のウエッジをキャディーバッグに入れた。

 試合会場の東京よみうりCCは砲台グリーンが多く、その周囲は芝が短く刈り込まれているため球は砲台の下まで転がり落ちる。ピンに近いサイドに外した際のアプローチは非常に難しい。石川はそういう場面で64度のウエッジを握った。フェースを大きく開いて大きくスイング。ボールを2メートル以上も高く上げてピン側に落とす。芸術的とも言えるロブショットでピンチを切り抜けた。

 石川は言う。「米ツアーのコースはグリーン周りが難しい。グリーンも早いので、特にショートサイド(ピンに近いサイド)に外すと寄せるのが難しい。だから64度のウエッジを使いたいと思っている」。深いラフからだとスピンをかけることも困難。高く上げて止めるロブしか選択肢はない。そういうケースでこの新兵器は物を言う。

 さらに石川は続ける。「アプローチが寄らないと思い切ってピンを攻めることができない。グリーンを外しても寄せられる自信があれば、積極的に狙っていける」。64度のウエッジは、グリーンを狙うショットを打つ際のプレッシャーを軽減させる効果も期待できる。

 日本シリーズでは新しいドライバーも試した。11年に発売されたキャロウェイのレイザーホークのプロトタイプ。それまで使用していたモデルよりも小ぶりなヘッドで「振り抜ける」と好感触を得た。実際に大きなミスは少なかった。

 ただアイアンショットは乱れた。石川はヘッドが上から鋭角に入るスティープな軌道だったことが原因と考えており、スイングの修正に力を注いでいるものの、完成形は見えていない。

 日本シリーズを6位で終え「ドライバーが4日間通して収まった。(課題は)アイアンだと思う」と話した。アイアンに不安があるからこそアプローチに自信を付けたいということなのだ。

 ロブショットの精度アップが米ツアーでの活躍の鍵になるかもしれない。今月下旬には国内で合宿を行うが、ここでもアプローチの練習に時間を割く。もちろん64度のウエッジでの技にも磨をかける。(福永 稔彦)

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2016年12月8日のニュース