【高岡寿成の目】川内、調整不足で逆に開き直り 世界陸上で上位チャンスも

[ 2016年12月5日 08:10 ]

福岡国際マラソン ( 2016年12月4日    平和台陸上競技場発着 )

日本人トップの3位でゴールする川内
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 川内君の過去の経験が集約されたようなレースだった。前半のペースが想定より遅く、ペースメーカーは想定より早い段階で消えた。多くのランナーが難しい判断を迫られる中、想定外に慣れている川内君は正しい判断ができた。

 25キロ手前で仕掛けたが、あの場面で“勝負しよう”という気持ちにはなかなかなれない。気持ちの強さが見られたし、一番の持ち味である粘りを十分に発揮したと思う。

 故障による調整不足で、逆にプレッシャーから解放されたのではないか。五輪代表への思いが強すぎた昨年の福岡国際など、調子がいい時ほどプレッシャーがかかる。今大会は開き直ってスタートラインに立っているように見えた。

 世界選手権に出場すれば、やはり最大の武器は経験になる。ただ、レースに出て調整していく選手なので、コンディショニングが重要。ピークを合わせ、今以上の粘りと我慢を見せれば上位進出のチャンスはある。 (男子マラソン日本記録保持者、カネボウ陸上部監督)

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2016年12月5日のニュース