遼 松山流ショットで66!ベストスコアでV圏5差5位浮上

[ 2016年12月4日 05:30 ]

男子ゴルフツアー日本シリーズJTカップ第3日 ( 2016年12月3日    東京都稲城市 東京よみうりカントリークラブ=7023ヤード、パー70 )

<ゴルフ日本シリーズJTカップ3日目>16番、ティーショットを放つ石川遼
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 前回覇者の石川遼(25=CASIO)が4バーディーを奪い、ただ1人ボギーなしの66をマーク。通算6アンダーに伸ばし、14位から5位に浮上した。2位から出た小平智(27=Admiral)が67で回って通算11アンダーで首位に立った。初の賞金王を目指す池田勇太(30=日清食品)は通算8アンダーで8位から2位に上がり、優勝すれば逆転で賞金王の可能性がある谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)は通算5アンダーで4位から7位に後退した。

 227ヤードと距離のある18番パー3。1メートルのパーパットを沈めた石川の顔に笑みが浮かんだ。ただ1人ボギーなしでこの日のベストスコア66。優勝戦線に踏みとどまった。「まだ3日目だけどここで1つでも落としたらこの試合は終わり。優勝するためには6アンダーはぎりぎり。最低限のラインだと思う」。安堵(あんど)の思いを吐き出した。

 口ひげをそって臨んだ第3日。1番で1メートルに付けてバーディー発進。ただ、その後はアイアンがピンに絡まずチャンスをつくれない。ショット後にいら立つ場面もあった。4、5番は1メートル強のパーパットを入れてしのいだ。グリーン左に外した8番パー3ではロブショットでピンチを脱出した。

 アイアンの不調の原因はヘッドの入れ方。元々ラインを出そうとしてヘッドを上から入れて球をつぶしにいく癖がある。最近その傾向が強まり上体がかぶりロフト通りの球が出ない。「右にも左にもミスがある。距離感も方向性も合わない」症状に悩んでいた。

 先週少し光が見えた。「W杯の時に英樹からスペシャルレッスンを受けた」。ISPSハンダW杯(オーストラリア)では松山と10日間行動を共にしたが、練習場やコースでアドバイスをもらった。「自分でも上から入りすぎていると思っていたけど英樹に“そうだと思う。右手と左手のバランスが大事”と言われた。良いヒントをもらった」。以来、盟友の言葉を実践し少しずつ改善してきた。

 レッスンがスコアに結びついたのが17番パー5。残り196ヤードの第2打を7Iでピン手前3メートルに2オン。イーグルは逃したが楽々バーディーを奪った。「次に英樹に会った時に“良くなってるな”と言われるように頑張らないと」と笑った。

 首位と5打差。ただこの大会では7打差からの逆転劇が2度ある。「明日は自分のやるべきことができればチャンスはある」。連覇への意欲は失っていない。


 ▽石川の第3日部門別データ 平均パット1・75(11位)、パーキープ率100%(1位)、パーオン率66・67%(14位)、平均飛距離272・5ヤード(15位)、フェアウエーキープ率64・29%(10位)

 ≪最終日逆転は過去20回≫日本シリーズで最終日に逆転して優勝した例は過去20回ある。89年の大町昭義、94年の佐々木久行が7打差をひっくり返したのが最大の逆転優勝。4位で出た大町は66の猛チャージで首位の中嶋常幸を逆転し初出場初優勝。佐々木は3位で出て66をマーク。首位の尾崎直道を追い抜いて初出場初優勝した。

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