今年最も多く黒星を喫したのは誰? 実力者ぞろいの幕内黒星ランキング

[ 2016年12月3日 10:30 ]

幕内の黒星ランキング1位の佐田の海(中央)、同率2位の栃煌山(左)と魁聖
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 【佐藤博之のもう一丁】1年収めの九州場所が終わった。年間最多勝は大関・稀勢の里が横綱・日馬富士とのデッドヒートを制し、69勝で初めて頂点を極めた。日本出身力士は98年の若乃花以来18年ぶりとなった。1つの取組で勝利を得られるのは1人だけ。勝者の陰には敗者がいる。幕内で今年最も多く黒星を喫したのは、51敗の佐田の海だった。

 秋場所終了時点では徳勝龍が45敗で最も多く敗れていた。だが、徳勝龍は九州場所で十両に落ちたため、幕内黒星は45敗にとどまった。2位は勢(44敗)、3位は栃ノ心、蒼国来(42敗)だったが、結果的には九州場所で12敗を喫した佐田の海がワーストとなった。

 幕内の黒星ランキングは以下の通り(カッコ内は初場所からの黒星)

 (1)佐田の海51(8、8、8、8、7、12)

 (2)栃煌山50(8、11、7、7、8、9)

 (2)魁聖50(10、4、7、8、9、12)

 (4)勢49(10、5、11、10、8、5)

 (4)松鳳山49(10、11、4、10、7、7)

 (4)碧山49(8、8、9、7、6、11)

 (7)嘉風48(7、11、8、5、8、9)

 (7)蒼国来48(7、8、8、9、10、6)

 (7)照ノ富士48(3、7、13、7、11、7)

 (10)栃ノ心47(9、9、5、9、10、5)



 九州場所千秋楽では魁聖が栃煌山を破ったが、この取組で敗れていれば佐田の海とともに51敗になっていた。逆に佐田の海が千秋楽に大翔丸に勝っていれば、50敗で佐田の海、栃煌山、魁聖の3人が並んでいた。

 ワーストとなった佐田の海は今年の勝ち越しは1回だけ。幕内7場所連続のワースト記録から秋場所に8勝を挙げたが、九州場所は右手首の負傷もあって3勝にとどまった。それでも本人は「ただ弱いだけです」とケガを言い訳にはしなかった。

 多くの黒星を喫したのは、年6場所とも幕内に在位し、休場もなかったから。休場した力士は黒星が少なくなる分、白星も減る。佐田の海は今年39勝を挙げており、年間勝利数は25位だった。番付が違うものの、年間勝率.433は大関・照ノ富士の.407(33勝48敗9休)を上回っている。2位の魁聖は夏場所で新小結、名古屋場所で新関脇となるなど、年3場所で三役を務めた。栃煌山も三役3場所で、平幕だった名古屋場所では1横綱3大関を破っている。

 「負けて覚える相撲かな」とはよく言ったものだ。幕内力士も敗戦を糧に強くなっていく。(専門委員)

 ◆佐藤 博之(さとう・ひろゆき)1967年、秋田県大曲市(現大仙市)生まれ。千葉大卒。相撲、格闘技、サッカー、ゴルフなどを担当。スポーツの取材・生観戦だけでなく、休日は演劇や音楽などのライブを見に行くことを楽しみにしている。

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2016年12月3日のニュース