鶴竜「横綱の中のぺーぺー」も白鵬撃破 14日目にもV

[ 2016年11月26日 05:30 ]

大相撲九州場所13日目 ( 2016年11月25日    福岡国際センター )

白鵬(右)を寄り切りで破る鶴竜
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 横綱・鶴竜が白鵬を寄り切り、1敗で単独首位を守った。初日から10連勝を飾った2年前の九州場所では10日目の夜から体調を崩して優勝を逃したが、その反省を生かして終盤戦に入っても好調をキープ。14日目に2敗の日馬富士が白鵬に敗れ、自身が結びで豪栄道に勝てば昨年9月の秋場所以来7場所ぶり3度目の優勝が決定する。 13日目取組結果

 1年以上も遠ざかっている賜杯を目指し、鶴竜が勝機とみるや一気に出た。過去44度の対戦でわずか5勝しかできていない白鵬に対し、立ち合いで狙った前まわしをつかみ切れなかった。それでも、なりふり構わずに低い体勢で突き放し、土俵際で得意のもろ差しに。最後は右を巻き替えられたが「そこを逃したら駄目だと思いました」と、がむしゃらに前に出て寄り切った。「自分の相撲だけに集中した」と無心で相撲を取り切り、3度目Vへ大きく近づいた。

 勝負の終盤戦に入り何よりも大切にしているのが体調管理だ。2年前の九州場所。今場所と同じく初日から10連勝を飾ったが、10日目の夜から高熱が出始めた。翌11日目の稀勢の里戦で敗北し、12勝3敗で白鵬に逆転優勝を許した。「ごはんも食べられなくて力が入らなかった。こんな大事な時に…と思いました。まさかでした」。同じ過ちを繰り返さないためにも、今年は朝稽古後の取材対応時から細心の注意を払う。普段ははだしに泥着(古くなった浴衣)を羽織っただけの姿だが、本格的に冷え込みが厳しくなってきたこの日朝は「自分で買った」という上下5Lサイズのアディダス製のジャージーを着て分厚い靴下もはいた。夜は「インドアですから」と基本的には部屋に直帰して健康に気をつける日々。2年前の終盤に減退した食欲も「問題ない」と胸を張るように過去の苦い経験を生かしている。

 14日目。日馬富士が白鵬に負け、自身が結びで豪栄道に勝てば昨年秋場所以来の優勝が決まる。「まだ終わってない。ただの一番だと思っていく」。前回は他の2横綱が休場した中で賜杯を抱いた。自らのことを「横綱の中のペーペー」と言う謙虚な31歳が、存在感を発揮する瞬間が近づいてきた。 

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2016年11月26日のニュース