五輪ボート宮城見送りへ バレーは「有明」有力 3会場、変更なしも

[ 2016年11月24日 19:10 ]

 2020年東京五輪・パラリンピックの会場計画見直しで、ボート、カヌー・スプリントの宮城県登米市「長沼ボート場」への変更案が見送られる方向となったことが24日、関係者の話で分かった。バレーボールは現計画の「有明アリーナ」(江東区)新設が有力視されていることも判明し、コスト削減を目的に東京都の小池百合子知事が進めてきた見直しは水泳を合わせ3会場とも整備費を削減した上で変わらない可能性が出てきた。

 ボート、カヌー・スプリントの長沼開催案は選手村が分村となることなどから競技団体が強く反発。現計画の「海の森水上競技場」(都内臨海部)の建設を中止した場合に発生する補償費用もネックとなった。

 バレーボールは都の調査チームが既存の「横浜アリーナ」(横浜市)を活用する代替案を示しているが、周辺に運営に必要なスペースが足りないことなどから、現段階では変更は困難とみられている。ただ、横浜案は依然選択肢に残っているもようで、小池知事の判断や今後の協議が注目される。

 日本バレーボール協会は24日、有明アリーナの新設を求めている国際バレーボール連盟会長から全権を委任された事務局のアゼベド氏らが来日し、25日に小池知事や大会組織委員会を表敬訪問すると発表。会場問題についても議論する可能性があり、調整は大詰めを迎える。

 事実上、海の森に絞られたボート、カヌー・スプリントで、都は恒久施設とする案(整備費328億円)と、屋根付き観客席などを大会後に撤去する仮設案(同298億円)の2案を示している。会場計画の見直しは27日にも開かれる見通しの国際オリンピック委員会(IOC)、組織委、都、政府の4者による作業部会で協議され、29日開催予定の4者のトップ級会合で結論を出す予定。

 水泳会場の「五輪水泳センター」(江東区)は観客席を当初計画の2万席から1万5千席に減らし、大会後に規模を縮小する「減築」は、費用がかさむことから取りやめる方向となった。

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2016年11月24日のニュース