稀勢の里、大関対決で意地のお返し!豪栄道の綱“消した”

[ 2016年11月22日 05:30 ]

大相撲九州場所9日目 ( 2016年11月21日    福岡国際センター )

突き落としで豪栄道を破る稀勢の里
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 綱獲りが振り出しに戻った稀勢の里が、大関対決で意地を見せた。綱獲りの豪栄道に攻め込まれながら、うまく回り込んで突き落としを決めた。2敗でとどまり、初優勝の望みをつなげた。豪栄道は2連敗で3敗目。連覇は遠のき、場所後の横綱昇進は厳しくなった。横綱・鶴竜は9連勝で単独トップを守り、日馬富士、白鵬の両横綱、新入幕の石浦が1差につけている。 9日目取組結果

 何度も綱獲りに失敗してきた稀勢の里の執念だった。豪栄道に右差しを許して一気に出られたが、差し手を抱えながら左に回り込んだ。渡し込みもかわして左からの突き落とし。豪栄道が土俵に落ちてから正面土俵下に転がった。ぎりぎりの勝利だった。

 褒められる内容ではない。それでも勝ったことに意味がある。余裕があったかと聞かれると「自分の足が出ていなかったんで」と淡々と振り返った。綱獲りの懸かった秋場所は11日目に対戦。全勝の豪栄道に土をつければ1差となり優勝への望みがつながった。だが、渡し込みで3敗目を喫し、綱獲りは絶望的となった。今場所は立場が逆転して激突。逆に相手の綱獲りを絶望的にした。同じ相手に連敗はせず「いいことじゃないですか」と前向きに捉えた。

 劣勢となった場合の準備は整えていた。流れはよくなかったが「いろんなことがありますからね」と想定済みだった。仕切りでは相手と呼吸を合わせず、はぐらかすようにして最後の立ち合いを迎えた。それについても「いろんなことがありますから」と答えた。先場所までの硬さはなく、柔軟に対応できている。

 3横綱との対戦を控えているだけに、初優勝の可能性は十分に残っている。「まあ、また明日」。10日目の白鵬戦から本格的な逆襲が始まる。

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