ボミ最終戦残し2年連続賞金女王「来年またプレッシャー」

[ 2016年11月21日 05:30 ]

女子ゴルフツアー大王製紙エリエール・レディース最終日 ( 2016年11月20日    愛媛県松山市 エリエールゴルフクラブ松山=6474ヤード、パー72 )

賞金女王を決めたイ・ボミは祝福のケーキを前にVサイン
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 イ・ボミ(28=韓国)が2年連続の賞金女王となった。7バーディー、2ボギーの67で回り通算9アンダーの26位で今季獲得賞金は約1億7400万円。争っていた申ジエ(28=韓国)、笠りつ子(29=京セラ)が優勝できず、次戦の最終戦で優勝賞金2500万円を獲得しても逆転できなくなったため1試合を残して戴冠が決定した。テレサ・ルー(29=台湾)が68で回り、72ホールの最少スコア記録を3打更新する通算24アンダーで今季3勝目を挙げた。また上位50人の賞金シードも確定した。 最終R成績

 重圧から解放され、最高のスマイルを浮かべた。年間7勝を挙げ、男女通じて史上最高額となる約2億3050万円を稼ぎ賞金女王となってから1年。最終9番、4メートルのバーディーパットを沈め26位で上がったイ・ボミが再びマネークイーンの称号を手にした。

 「今はうれしいけれど、来年はまたプレッシャーですね。目標をどうしたらいいのか悩みます。ゴルフはちょっと休みたいです」

 日本ツアーに参戦して6年。ショットメーカーで粗削りだったゴルファーは姿を変えた。根底にあるのは「もっと上手になりたい」というアスリートとしての自然な欲求だ。リオデジャネイロ五輪を最大の目標にした今季、最も磨いたのはリカバリー率(パーオンを逃した時にパー以上で上がる確率)の向上。難しいライからのアプローチを避けるマネジメントも徹底し、昨季から7ポイント近くアップ(73・4536%で1位)させた。それが、開幕から12試合連続トップ10入りの安定感につながった。

 長いシーズン、ピンチもあった。2年連続の同一大会欠場ができない規定があるため、8月下旬のCATレディースから8週連続出場のスケジュールを組まざるを得なかった。自身初の長丁場に、7週目の日本女子オープンでは「体が動かない」と体調不良により無念の途中棄権。8週目のスタンレーレディースでは開幕前夜に「パターが曲がって見える」と清水キャディーを呼び寄せチェックしてもらうほど身も心も疲れ果てていた。

 37位から出たこの日、裏街道と呼ばれるインスタートだった。「それなのにたくさんのギャラリーがいて心が温かくなっちゃう」。だから疲れていても笑顔を忘れない。攻めての7バーディーはファンへの感謝の意味もあった。「21歳の時は28歳で終わりと思っていたけれど、ゴルフができる限り頑張りたい。結婚はまだしたくない」とファンを安心させた。

 タイトルは手にしたが目標はまだある。前人未到の平均ストローク60台(現在70・0260)だ。次戦最終戦で通算12アンダー以上なら可能性はある。最強女王はフィナーレまで全力で駆け抜ける。

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2016年11月21日のニュース