ジャンボ尾崎「重大」決断 69歳レジェンド、ツアー撤退今オフにも

[ 2016年11月19日 05:30 ]

男子ゴルフツアー ダンロップ・フェニックス第2日 ( 2016年11月18日    宮崎県宮崎市 フェニックスカントリークラブ=7027ヤード、パー71 )

<ダンロップフェニックストーナメント2日目>1番、ティーショットを放ち第2打地点に向かう尾崎将司

 男子ゴルフ通算113勝を誇る尾崎将司(69=セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ)が来季、重大な決意をする可能性を示唆した。第2ラウンドはアウト9ホールで腰痛のため棄権。年内最終戦を終え、レギュラーツアー撤退も視野に入れ、オフを迎えることになった。賞金王を争う池田勇太(30=日清食品)はホールインワンを決めるなど67で回り、通算7アンダー、135で首位に浮上。首位から出た谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)は73と落としたものの、首位と2打差の5位に踏みとどまった。

 強気な言動が鳴りを潜めた。ジャンボはアウト9ホールを必死の思いで回ると、腰痛に耐えきれず無念の棄権を宣言。次週はエントリーしておらず、これが今季最後の試合。「(腰痛の)対策は体を鍛えて強くするしかないが、年齢的に難しい。今は重大な局面に立たされている」と来季ツアー参戦の可否を検討する考えを漏らした。

 計12度の賞金王に輝くなど一時代を築いた。AONとして日本ゴルフ界をともにけん引してきた青木功、中嶋常幸がシニアツアーに参戦しても、「レギュラーツアーで戦えなくなったら終わり」とあくまでレギュラーにこだわってきた。一方で、近年は持病の腰痛に苦しんだ。13年4月のつるやオープンでは第1ラウンドを62で回り、レギュラーツアー史上初のエージシュートを達成して健在ぶりをアピールしたが、大会を51位で終えて以降、予選通過はない。

 3年連続獲得賞金はゼロ。腰の状態は「神経圧迫の状態が何十年も続いている。下半身が衰えて、足の力がなくなって腰に負担が来て」と思わしくない。「トレーニングしたらしたで副作用で違うところが痛くなってくる」と69歳の体はあちこちが悲鳴を上げている。

 「練習場の姿とコースの中の姿は“別人28号”だからな。練習場だと良いから、(コースに)行ってみようかなという気持ちになるけど」ともどかしい思いは尽きない。

 尾崎に近い関係者は「精神的にしんどいから珍しく弱気なコメントを吐いているのでは。腰をリカバリーできるなら気持ちも上がる。ジャンボさんのことだから体づくりから始めてまた考えるのでは」とコースに再び戻る可能性に言及。また、別の関係者は「引退とかそういうことではなく、選んで試合に出ていこうということだと思います」と試合数を絞って出場するとの見方を示した。

 ただ、14年には自身のブログで「終わりが近づいていることに間違いはない」とつづっていたのも事実。思い描くプレーができないジレンマの中で、尾崎は1月に70歳を迎える。引くか進むか。「オフにゆっくりと考えるよ」。日本ゴルフ界が誇るレジェンドは決断を迫られている。

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