内藤雄士氏が分析 松山の強さはパット進化にあり、匠の境地

[ 2016年11月14日 09:54 ]

男子ゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ最終日 ( 2016年11月13日    静岡県御殿場市 太平洋C御殿場C=7246ヤード、パー72 )

松山のパッティング

 日本オープン、HSBCチャンピオンズ、そして今大会とこの1カ月で3勝と驚異的なゴルフを見せている松山。その強さの秘密をツアープロコーチの内藤雄士氏(47)が分析した。

 松山が1カ月で3勝もできた最大の要因はパットにある。10月の日本オープン前にパットのフォームを変えた。重心を落とし前傾を深くしてハンドアップにした。以前は両脇を締めていたが、脇をあけて背中から腕までを一体化させて肩のストロークで打っている。

 パットの名手はこの打ち方をしている。両脇を締めた打ち方でパットがうまかったのはタイガー・ウッズくらいだろう。

 両脇を締めると、どうしても手首を使いやすくなる。ショットは脇を締める方が良いが、パットの場合は腕と体の運動量を一致させるために、両脇をあけてハンドアップにして手打ちできない状態をつくった方が良い。今の松山はそうした打ち方ができているからストロークが安定している。

 ショットも打ち方を変えた。以前はフォローでも左肘を畳まず、腕と胸でできた三角形をキープしたままスイングしていたが、フォローで左肘を畳むようになった。

 三角形をキープしたまま振ると方向性の安定というメリットはあるが、飛距離の点では不利になる。左肘を畳むと手元が浮かなくなり、振り遅れがなくなってインパクトの精度が上がる。ヘッドが走ってヘッドスピードが上がるため飛距離アップにもつながる。

 松山は三角形を変えずに体と腕の運動量を一致させてスイングする能力にたけている。そこに新しい技術を取り入れたのでメリットしかない。

 打ち方を変えたおかげで飛距離がアップして、元々持っているアイアンの精度は変わっていない。その上パットが入るようになった。

 技術的なレベルで言えば、過去に日本人が到達しなかった領域に足を踏み入れようとしている。体調さえ万全なら今の松山なら間違いなくメジャーで優勝争いできる。(ツアープロコーチ)

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2016年11月14日のニュース