五輪会場 水泳は新設 ボート、バレー代替地も 都調査チームが見直し案

[ 2016年11月1日 21:35 ]

 2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用を検証する都の調査チームは1日開かれた都政改革本部の会合で、競技会場となる3施設の最終的な見直し案を小池百合子知事に示した。水泳は現行計画の「五輪水泳センター」(江東区)の新設に絞り、ボート、カヌー・スプリントとバレーボールは代替候補地を含めた選択肢を提言した。

 同日始まった国際オリンピック委員会(IOC)などとの4者による作業部会でこの案が本格的に議論され、11月末にも結論が出る見通しだ。

 上山信一慶応大教授が統括役を務める調査チームは、ボート、カヌー・スプリント会場について、都内の臨海部に恒久か仮設で新設する「海の森水上競技場」とするか、既存の「長沼ボート場」(宮城県登米市)とするかの3案を提示。埼玉県が要望している戸田市の彩湖は含まれなかった。

 海の森の整備費は、現行の491億円から328億円に圧縮。屋根付き観客席などの施設を大会後に撤去する仮設は298億円と試算した。長沼は宮城県が150億~200億円と見積もった。

 水泳会場「五輪水泳センター」は、現行計画通り客席数を2万とするか、1万5千に減らす2案を盛り込んだ。いずれも大会後に建物を改修して規模を縮小する「減築」は費用がかかりすぎるとして取りやめる。当初、近くの東京辰巳国際水泳場を改修して利用することも検討したが、開催条件を満たせず断念した。

 バレーボール会場は現行の「有明アリーナ」(江東区)の新設と、代替地として横浜市の「横浜アリーナ」を挙げた。

 最終案は、これまで主眼としてきたコスト抑制に加え、大会後に都民の健康増進や競技普及に貢献するよう「一般都民にとってのレガシー(遺産)計画」を打ち出した。その実現のため、各競技団体には会場施設の運営に参画するよう促した。

 現在は各機関がばらばらに管理している大会関連経費を、都と大会組織委員会が一元的に管理する「共同最高財務責任者(CFO)」体制を構築し、積極的に情報開示していくことも提言した。

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2016年11月1日のニュース