羽生「やっちまった」2位 フリートップも4回転2回失敗響いた

[ 2016年10月31日 05:30 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦スケートカナダ第2日 ( 2016年10月29日    カナダ・ミシソーガ )

フリーで華麗な演技を見せる羽生(AP)
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 男子はショートプログラム(SP)4位と出遅れた羽生結弦(21=ANA)が、フリーで1位の183・41点をマークして巻き返したが、合計263・06点の2位に終わった。4本挑んだ4回転ジャンプは2本失敗し、優勝したパトリック・チャン(25=カナダ)に3・89点及ばなかった。女子はSP5位の宮原知子(18=関大)がフリー3位の126・84点で合計192・08点として3位に食い込んだ。

 嫌な感覚は体がよく覚えている。冒頭の4回転ループ。「跳んだ瞬間やっちまったなぁと思いました」。軸がブレて回転が足りず、羽生は転倒した。4週前の今季初戦オータム・クラシックで世界で初めて成功させた大技だが、前日のSPに続き失敗した。

 だが、「すぐ切り替えていけた」と続く4回転サルコーを奇麗に決めた。後半、連続ジャンプの最初の4回転サルコーは2回転になったが、直後の4回転トーループは危なげなく決めた。昨季から1本増やして4本挑んだ4回転ジャンプは計2本の成功となり、フリーではトップの得点をマーク。10・91点あったチャンとの差を詰めた。だが、あと3・89点届かなかった。

 4回転ジャンプをもう一つ成功させていれば、逆転できる点差だった。「4回転ループを両方(SPとフリー)ともうまく跳ぶことができなくて、悔しい思いがたくさんある」。ただ前戦では終盤フラフラになったが、今回は最後まで力強く滑り切り、4回転サルコー以外の後半4つのジャンプは出来栄え評価で加点がついた。「重要視していたのは後半なので、ちょっとだけ達成感がある。悔しい9割、達成感1割です」と課題の終盤を耐え抜いたことには手応えをつかんだ。

 一方でブライアン・オーサー・コーチは「演技点に目を向ける必要がある。それが今回勝てなかった理由だ」と指摘した。チャンには技術点で10点上回ったが、演技点で3点劣った。ジャンプだけでなく、表現力も今後の課題だ。

 GPファイナル(12月8~11日、マルセイユ)の出場圏内には踏みとどまった。昨季終盤に左足甲を痛めて、急ピッチで調整しているが「(ジャンプのミスで)どこか痛いのかと思われるかもしれないですけど、ただ自分の実力不足。心配しなくて大丈夫です」と不安視する声を一蹴した。次戦はNHK杯(11月25~27日、札幌)。五輪王者は「これからまた上げていきます」とギアに手をかけた。 

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