羽生SP4位も フリー逆転へ4回転4本「チャンスいっぱい」

[ 2016年10月30日 05:30 ]

フィギュアスケート グランプリシリーズ第2戦スケートカナダ第1日 ( 2016年10月28日    カナダ・ミシソーガ )

スケートカナダ第1日 男子SPで4位と出遅れた羽生結弦
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 男子ショートプログラム(SP)で、羽生結弦(21=ANA)は2つの4回転ジャンプをいずれもミスし、79・65点の4位と出遅れた。90・56点で首位のパトリック・チャン(25=カナダ)とは10点以上の差が開いたが、4回転ジャンプ4本を予定している29日(日本時間30日)のフリーでの逆襲に意欲を見せた。女子SPでは昨季GPファイナル2位の宮原知子(18=関大)も65・24点で5位と出遅れた。

 わずかな心の隙からほころびが生じた。今季の羽生は左足甲を痛めた影響で調整遅れがあったが、4週前の初戦のオータム・クラシック後は十分滑り込んで調子を上げていた。会場は練習拠点のトロントの郊外で「飛行機の疲れもない、自分の体には有利な状況」とコンディションも万全。直前の6分間練習では前の試合で世界で初めて成功させた4回転ループを決めていた。

 「いろいろなことが順調で、順調だからこその緊張があったかもしれない。慎重になりすぎた」

 冒頭の4回転ループは軸がぶれた。「跳んだ瞬間、アーッと思った」と回転が足りずに右膝から落ちた。続くコンビネーションジャンプでは「フォームや技術的なことをいろいろ考えすぎた」結果、1つ目の4回転サルコーが3回転となってバランスを崩し、2つ目の3回転トーループをつけられなかった。

 地元出身でトップに立ったチャンの好演直後の滑走順。昨年バルセロナで行われたGPファイナルで地元出身のフェルナンデスが会場を沸かせた直後に完璧に滑った経験も「ちょっとした過信があったかもしれない」と油断につながった。前日誓った「ノーミス」からはほど遠い内容の4位スタートに「悔しいです。しょうがないです」と語るしかなかった。

 110・95点の自己ベストに遠く及ばない79・65点で、トップとは10・91点の差がついた。ただ、フリーでは4回転ジャンプを昨季より1本多い4本挑む。「チャンスがいっぱいあるなって、凄くポジティブにとってる。フリーこそ、たくさんたくさんジャンプの点数があって、今の自分にとって重要だなと実感しています」。今季の羽生にとっては十分逆転圏内だ。過去のGPシリーズ通算6勝中、逆転勝利は1度しかない。先行逃げ切りで勝つことの多い羽生にとって、このシチュエーションこそ新たな挑戦の真価を示す格好の舞台だ。

 ▽羽生結弦のスケートカナダ 今回が3度目の出場。13年はチャン(カナダ)に次いで2位。昨年はSPでジャンプ2つが0点になるミスを犯して6位と出遅れ、最終的にチャンに次ぐ2位

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