伊調馨に国民栄誉賞 五輪5連覇挑戦決断は「覚悟決めてから」

[ 2016年10月21日 05:30 ]

国民栄誉賞授与式で、安倍首相(右)から盾を受け取るレスリング女子58キロ級の伊調馨選手
Photo By 共同

 女子初の五輪4連覇を達成したレスリング女子の伊調馨(32=ALSOK)が20日、首相官邸で安倍晋三首相から国民栄誉賞を授与された。同賞は13年の長嶋茂雄氏、松井秀喜氏以来23例目。記念品には西陣織の金色の帯が贈られた。東京五輪での5連覇への期待が懸かる中、現役続行については態度を保留中。兼任コーチ案も浮上したが、伊調は「選手なら選手、コーチならコーチ」と“二刀流”プランは否定した。

 金メダルをもらうのは慣れている。そんな伊調でもこの日は少し特別だった。父の春行さん、姉で五輪メダリストの千春さんと出席した式典。紫色に金の刺しゅうが施されたあでやかな振り袖姿で、その表情はメダルセレモニーよりもずっと硬かった。

 「栄誉ある賞を頂けたと初めて実感できた。同時に身の引き締まる思いがふつふつと湧き上がってきた」とその重みを語った。

 受賞会見で「和装の文化を伝えていきたい」と話していた伊調の希望をくんで、記念品は西陣織の黄金の帯となった。04年アテネ五輪で最初の金メダルを獲得し、08年北京五輪後にはカナダ留学なども経験。「海外では日本の着物や浴衣に凄く興味を持ってくれる。日本人としてもっと勉強しないと」と日本文化の発信者としての自覚も芽生えている。

 「格闘技プラス女性という異色なものを伝えたい」。目指すはレスラーとしての強さと女性らしさの両立。安倍首相からは「(東京五輪での)5連覇を期待してます」と激励を受けたように、その強さへの期待もまだまだ大きい。

 今後については周囲と相談しながら「少しずつ考えていっている」という状態だという。12月の全日本選手権、来年の世界選手権などは「まだ考えていない」と白紙。時間の区切りを設けず、熟慮して答えを出すつもりでいる。

 先輩の吉田沙保里は現役を続け、女子代表の兼任コーチとなる道を選んだ。日本レスリング協会の福田富昭会長は「伊調もコーチをやりながらでいい」と勧めたが、「しっかり覚悟を決めた上で選手だったら選手、コーチだったらコーチの道に進みたい」と二刀流は否定した。「しっかり覚悟を決めてからじゃないと4年後を目指すとは言えない。もうちょっと時間がかかります」。4年後を目指すに足る覚悟が固まるのを、伊調自身も待っているかのようだった。

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