松山15位発進 最多1万838人観衆に「凄かった」

[ 2016年10月14日 05:30 ]

男子ゴルフツアー日本オープン第1日 ( 2016年10月13日    埼玉県入間市 狭山ゴルフクラブ=7208ヤード、パー70 )

<日本オープン選手権初日>1番ティーグラウンドに姿を現した松山はギャラリーから拍手で迎えられる
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 1万人が狭山に押し寄せた。4年ぶりの出場となる松山英樹(24=LEXUS)は2バーディー、3ボギーの71で回り、1オーバー、15位とまずまずのスタートを切った。ショットの不調を世界基準の小技でカバー。同組の石川遼(25=CASIO)は75で61位、アダム・スコット(36=オーストラリア)は76で75位と出遅れたが、世界で戦う3人はギャラリーの熱い視線に巻き返しを期した。 第1R成績

 ホール全体を取り囲んだ大観衆に百戦錬磨の松山も「凄かった。ずっと緊張していた」と声を上ずらせた。日本オープン第1ラウンドのギャラリー数として、記録が残る91年大会以降では最多となる1万838人が詰めかけた。第1ラウンドは1オーバーの15位に終わり、「皆さんの前で良いプレーをしたかったが、できなくて申し訳ない」と残念そうに話した。

 この日、アンダーパーをマークしたのは7人だけ。長いラフと高速グリーンに多くの選手が苦しめられたが、松山は小技で粘りきった。7番で1Wを左ラフに打ち込み、第2打はグリーンに届かず右手前のラフへ。第3打のアプローチも4メートルショートしボギーが先行したが、気持ちをすぐに切り替えた。9番パー5では3Wで2オンを狙ったショットがグリーン奥にこぼれたが、「ショートゲームで踏ん張れた」とアプローチを3メートルに寄せてバーディー。松山、石川、スコット組にとってもこの日初めてのバーディーとあって、グリーンを三重に取り囲んだ観衆も大きく沸いた。

 課題はショットだ。この日、フェアウエーを捉えたのは4ホールのみで、フェアウエーキープ率は28・57%の全体100位と低迷。パーオン率も55・56%の25位とやや物足りない数字だった。それでも、後半は2メートル前後の際どいパーパットを何度も沈めるなどしてピンチをしのぎ、「自分のベストは出せたと思う。スコア的に大崩れせずに済んだ」と踏ん張った。

 この日、ギャラリーをうならせたのは310ヤード超の1Wショット。「最近は飛ばなくなっていたが、距離が出ていた」と満足そうにうなずいた。それでも、何より期待されているのが優勝争いというのは自分が一番よく分かっている。「明日からはもっと良いスコアで回りたい。一打に集中して頑張りたい」と気を引き締めた。

 ホールアウト後は約20分のパッティング練習を行ったあと、サインを求めるファンの声に応えた。日が落ち、気温が下がる中で約30分間、100人以上のリクエストに対し、丁寧にペンを走らせ続けた。「こうやって見てもらえると気が引き締まる」。最高のファンサービスは圧巻のプレー。初の日本タイトルへエンジンをかける。 (井上 侑香)

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