勇太81H目決着、一般営業日V 新キャディーと「新たなスタート」

[ 2016年10月11日 05:30 ]

男子ゴルフ ツアーワールド・カップ最終日 ( 2016年10月10日    茨城県小美玉市 石岡ゴルフ倶楽部=7071ヤード、パー71 )

<ツアーワールド・カップ 最終日 >優勝カップを手に坂井恵キャディ(左)と記念撮影におさまる池田勇太
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 前日、4ホールを終えたところで日没サスペンデッドとなったプレーオフを再開し、池田勇太(30=日清食品)がこの日の5ホール目、通算9ホール目でバーディーを奪って宋永漢(25=韓国)を破り、今季2勝目、ツアー通算15勝目を挙げた。プレーオフが月曜日に持ち越されたのは99年の日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足後は初めて。ゴルフ場は一般営業日のため観客は入れず、関係者らが見守る中で行われた。

 5日間、81ホールを戦い抜いた池田は会見で「81ホールも付き合わせて申し訳ありません」と笑いを誘い「運が味方してくれたかな」と語った。

 前日、正規の72ホール終了後に宋永漢とプレーオフ4ホールを実施したが、決着が付かず日没サスペンデッドになった。この日は午前7時半に再開。池田は全ホールでパーオンに成功。安定したゴルフで通算9ホール目に2メートルのバーディーパットを沈め、4月のパナソニック・オープン以来の今季2勝目をつかんだ。

 一般営業日のためギャラリーはおらず、観戦しているのは関係者のみ。隣のホールから「ファー」と声が聞こえることもあった。「俺が打つ時には声を出さないでくれと思った」と苦笑いしたが、集中を切らすことはなかった。

 9月のANAオープン、前週のトップ杯東海クラシックと最近3試合で2回も首位で迎えた最終日18番でボギーを叩いて2位。その教訓から「とにかくボギーを叩かないことを肝に銘じていた」。81ホールでボギーはわずか6個だった。

 8月のKBCオーガスタを最後に、7年半で14勝した福田央(ひさし)キャディー(40)とのコンビを解消した。「福ちゃんがいなければ今の俺はない。感謝しかない。でも自分の中に新しいものを探したくなった」。以降ハウスキャディーを起用しグリーンや風の読み方などを勉強してきた。今大会は初めてプロキャディー坂井恵さん(38)と組んで優勝。今季は今後も基本的にはハウスキャディーを使う予定だが、「福ちゃん以外で勝ったのは初めて。新たなスタートラインに立った気がしている」としみじみ語った。

 6年ぶりの年間複数回優勝。30歳293日で通算15勝に到達した。尾崎将司の29歳239日に次ぐ歴代2位の年少記録も通過点。2日がかりのプレーオフを振り返り「これが起爆剤になる。賞金王を目指して一試合一試合大事に戦う」と宣言した。

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