山口 奥原初撃破 9度目挑戦ついに「今しかないと思った」

[ 2016年9月24日 05:30 ]

第1ゲーム、スマッシュを放つ山口茜

メットライフ・スーパーシリーズ ヨネックス・オープン・ジャパン第4日女子シングルス準々決勝 山口21―11、23―21奥原

(9月23日 東京体育館)
 夢舞台の再戦は19歳に軍配が上がった。女子シングルス準々決勝で世界ランク12位の山口茜(19=再春館製薬所)が、同5位でリオデジャネイロ五輪銅メダリスト・奥原希望(21=日本ユニシス)を2―0で撃破。リオ五輪の準々決勝で敗れたリベンジを果たし、9度目の対戦で初勝利を収め24日の準決勝に進出した。

 夢舞台での対戦から約1カ月が経過し、結果と言葉が逆転した。リオ五輪の準々決勝では敗れた山口が、奥原に2―0でリベンジ。リオでは「頑張ってください」と言った19歳はこの日、奥原から「頑張ってね」とエールを送られた。9度目の対戦でようやく初勝利。「初めて勝てたのでうれしい。1回勝てたことで何か変わってくるかな」と歓喜に浸った。

 リオでは1ゲーム先取しながら、スタミナ切れで逆転負けした。この日もネットぎりぎりにシャトルを沈ませるヘアピンショットなどで第1ゲームは好機を演出。7―10から13連続得点を奪って圧倒したが、ここで前回の反省を生かした。「リオでは全部全力でバテるのが早かった。攻めるところとラリーのメリハリをつけた」。奥原がリードする第2ゲームも最大3点差で踏みとどまり、ジュースの末に制した。的確なスマッシュ、倒れ込んでのレシーブなど随所に好プレーを見せたが、山口が「自分らしい」と評したのは18―17からのサーブミス。「あれのおかげで力が抜けた」と笑った。

 五輪メダリストとなり帰国後も多忙だった奥原が、今大会に100%の状態で臨めないことは山口にも分かっていた。「内容よりも1勝でもしたい思いがあった。チャンスだし、今しかないと思った」。前日(22日)の知人との会話も闘志を高めた。「奥原さんが勝っても予定通り。自分が勝った方がメディア受けするって言われて。盛り上げ役は嫌いじゃないので、頑張ろうかなと」。19歳は予定調和な結末は好まない。

 24日の準決勝は1メートル84の孫(ソン)瑜(ユ)(中国)と激突する。1メートル56の山口との身長差は28センチ。「球を出す高さに気をつけてやりたい。思い切ってできればいい」。リオとは逆に、奥原の思いも背負ってコートに立つ。「今度は自分が頑張る番なんで、明日(24日)も頑張る」。大きな壁を越えた19歳が、3年ぶりの頂点に突き進む。

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2016年9月24日のニュース