豪栄道 V率100%!13連勝で大阪勢86年ぶり悲願に王手

[ 2016年9月24日 05:30 ]

<大相撲秋場所13日目>日馬富士(左)をやぶり全勝を守った豪栄道

大相撲秋場所13日目

(9月23日 両国国技館)
 24日初優勝を決める。大関・豪栄道は逆転優勝を狙った横綱・日馬富士を豪快な首投げで破り、13戦全勝で単独トップを守った。14日目の玉鷲に勝てば文句なし。自身の取り組み前に2敗の平幕・遠藤が関脇・高安に敗れれば、その時点で優勝が決まる。稀勢の里、琴奨菊らの陰に隠れていた大関がついに賜杯を抱くときが来た。

 大歓声と座布団シャワーの中で勝ち名乗りを受けた。結びの一番で“豪栄道スペシャル”がさく裂。これまで何度も窮地を救ってきた首投げで無傷の13連勝を飾り、初優勝に王手をかけた。

 軍配が返る前から火花が散った。時間前の仕切りで、立ったまま約15秒のにらみ合い。豪栄道は逆転Vを狙う横綱から視線をそらさなかった。「あそこで目をそらせば、やられると思った」。先場所まで9勝29敗。この1年も1勝4敗と分が悪い相手に気迫で負けなかった。この強い気持ちが逆転勝ちにつながった。立ち合いで右が差せず、両差しで寄られる絶体絶命のピンチに、右手で首をつかむと一瞬で裏返し。土俵下の出羽海審判長(元幕内・小城ノ花)も「横綱がそのままいくかと思った。豪栄道の気持ちが出たんじゃないか」とうなった。

 首投げが決まると、いつも不満だ。今場所も3日目の栃煌山戦で同じ技で勝ち、「内容がよくない」と首をひねった。それでも大一番で決まれば、捨て身の技を磨いてきたかいもある。この日は「褒められた技じゃないけど、今日に関してはよしとします」と珍しく納得の表情を見せた。

 稀勢の里、鶴竜、日馬富士と過去の対戦成績で圧倒的に分が悪い相手に3連勝。1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、13日目終了時点で2差から逆転優勝を許した例は過去になくV率は“100%”。八角理事長(元横綱・北勝海)は「雰囲気がある。優勝する人はこういう時に勝つ」と絶賛した。13連勝も05年春場所から夏場所にかけてマークして以来の自己タイ記録だ。

 大阪勢としては86年ぶりの賜杯へ地元の寝屋川市も盛り上がっている。同市広報によると、土曜日の24日、午後5時15分から市役所1階のスペースでパブリック・ビューイングを開催。春場所でも千秋楽に開催したが、今回はプロジェクターを使って、より大きな画面で応援し「豪栄道」とプリントされた応援タオルも用意する。

 いよいよマジック1。14日目の玉鷲には過去4勝2敗と勝ち越している。だが、本人には、はやる様子も油断する気配もない。「集中して気合を入れるだけ」と口元を引き締めた。

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