Bリーグ開幕!日本バスケの新時代始まった…A東京、歴史的1勝

[ 2016年9月23日 05:30 ]

<B・リーグ開幕戦 アルバルク東京・琉球ゴールデンキングス>第4Q、東京の菊地(右)は琉球のラモント・ハミルトンと競り合いながらシュートを放つ

男子プロバスケットボール「Bリーグ」 第1節第1日 A東京80―75琉球

(9月22日 国立代々木競技場)
 新たに発足した男子プロバスケットボールのBリーグが22日、東京・国立代々木競技場で開幕し、アルバルク東京(A東京)が琉球を80―75で下し、歴史の一ページに白星を刻んだ。会場は9132人の大観衆によって埋め尽くされ、色彩豊かな照明でコートは浮かび上がった。ナショナルリーグ(NBL)とbjリーグに分裂していた国内リーグは一つになり、新時代の一歩を踏み出した。

 猛反撃をしのぎ、A東京が歴史的な勝利を挙げた。「これだけ注目されたビッグゲーム。勝利で飾れてうれしい」。昨季は実業団の雄、トヨタ自動車東京としてNBL最多勝率を誇った強豪のエース田中は死闘を振り切り、安どの笑みを浮かべた。

 目が離せない展開に会場がくぎ付けになった。残り約6分。12点のリードはすぐさま縮まった。琉球はチャローのレイアップがはじかれると、後方から走り込んだマクヘンリーが飛びつく。Bリーグ初のダンクシュートを豪快に決められた。相手ファンは総立ちとなって「ゴーゴー、キングス!ゴーゴー、キングス!」の大声援。岸本、喜多川に3点シュートを決められ、残り1分32秒には3点差まで迫られた。bjリーグ最多4度の優勝を記録してきた地方軍団に冷や汗をかかされたが、接戦の分だけ大観衆を魅了する試合となったことは間違いない。新たな船出を白星で飾り、正中は「最高の舞台だった。開幕戦に勝ったチームとして、リーグの発展に向けて愚直に競技力向上に励む」と自覚と責任感をにじませた。

 ど派手な開幕だった。開始前、世界で初めてコート全面に敷き詰められたLEDライトから富士山が浮かび上がる。緊張の面持ちの選手は雲の上に立つような姿で君が代を聴いた。クオーター間はスタンドにウエーブが起こった。かつて国内リーグはNBLとbjリーグに分裂。度重なる注意にも日本協会は統合を実現できず、国際連盟(FIBA)から国際試合の資格停止処分を受けた。厳しい状況でサッカーJリーグの創設で手腕を見せた川淵三郎氏が招へいされ、リーグ統合や協会のガバナンス(統治)を強化。制裁解除へと時は動き、この日を迎えた。

 シーズンは60試合を戦う長丁場。興奮は始まったばかりだ。スター不在は否めないが、スタンドと一体となった会場は、見る人に競技の魅力を伝えたに違いない。大河チェアマンは「白熱した試合だった」と選手を称え、「まずは一区切りつけられた日。2つのリーグが1つになったことを見せられた」と息をついた。そして新時代のスタートを切り「この勢いを各チーム持続して注目されるプロスポーツになることが課題」と言った。LEDライトよりも光り輝くプレーで魅せられるか。バスケットボールの挑戦がついに始まった。

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