豪栄道 苦手の鶴竜倒し12連勝で首位独走!地元大阪ではPVも

[ 2016年9月23日 05:30 ]

<秋場所12日目>鶴竜を押し出しで破った豪栄道

大相撲秋場所12日目

(9月22日 両国国技館)
 大関・豪栄道が横綱・鶴竜を破り、負けなしの12連勝で単独首位をがっちりキープした。鶴竜は4敗目。2敗は横綱・日馬富士、関脇・高安、平幕の遠藤の3人。13日目に高安と遠藤が敗れ、豪栄道が日馬富士戦に勝てば、豪栄道の初優勝が決まる。大関・照ノ富士は碧山に押し出されて負け越し、来場所は3度目のカド番になる。
【12日目取組結果】

 13日目にも初優勝が決まる勢いだ。豪栄道が結びの一番で鶴竜を押し出し破竹の12連勝。横綱撃破で、Vモードをさらに加速させた。

 この日も勝負勘がさえた。まわしに手が届かず、右を差しにいっても突き放された。ここで一瞬引いたが、すぐに思い直したように突き合った場面を「よく持ち直せた」と自賛。たまらず鶴竜が引いたところでギアを上げて前に出た。

 「(相手は)突っ張りもいなしも、張り差しも、何でもある。我慢していこうと思った」

 有利な体勢になるまで待って、自己最多タイの12勝目を無敗でマークした。大関昇進を決めた14年名古屋場所でも関脇で12勝を挙げているが、この日の朝稽古では「あのときは無我夢中。今の方が冷静に取れている」と当時との違いを強調した。取組後の支度部屋でも「集中できている。いい緊張感がある」と充実の顔つきを見せる。

 この精神面の成長が連日の鬼門突破につながった。先場所まで、11日目に対戦した稀勢の里とは13勝24敗、この日の鶴竜とは11勝24敗。しかし、仕切りから硬さも苦手意識も感じられなかった。

 地元でも1930年夏場所の山錦以来となる大阪出身力士の優勝へ期待は高まっている。出身地の大阪府寝屋川市では、市役所1階のスペースを使って今年春場所の千秋楽以来となるパブリック・ビューイングを計画。同市の広報担当者は「優勝する日にはやりたい」と息巻く。当初は千秋楽を予定も、あまりの“独走”に計画を前倒しする可能性もありそうだ。

 豪栄道は大関昇進以来、同市の敬老イベントと成人式にビデオレターで出演し、故郷の老若男女に映像を通じて活躍を誓ってきた。それだけに故郷の盛り上がりに「そうなれば、やりがいもある」と言葉に力が入る。

 初優勝が13日目までに決まれば02年九州場所の朝青龍以来の快挙。きょう13日目の日馬富士とは先場所まで9勝29敗だが現在の豪栄道には過去のデータは関係ない。大一番へ「集中するだけ」と言い切った。

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