日本 車いすラグビー悲願初メダル!カナダ下し銅

[ 2016年9月19日 05:30 ]

パラリンピックの車いすラグビーで銅メダルを獲得し、歓喜する(左から)羽賀、池崎、乗松、官野、仲里、池、山口、庄子ら日本代表

リオデジャネイロ・パラリンピック第11日車いすラグビー3位決定戦 日本52―50カナダ

(9月17日)
 車いすラグビーの日本は、最終日(18日)の3位決定戦でカナダを52―50で破り、銅メダルを獲得した。両チームとも激しく点を取り合う展開となったが、最後は日本がカナダを振り切り、悲願の初 メダルを手にした。

 試合終了を知らせるブザーとともに、ボールを持っていたエースの池崎はウイニングボールを右腕で力いっぱいにはじき飛ばした。そこへ主将の池が飛び込んでくる。日本が車いすラグビーに出場して4大会目。悲願のメダルを獲得し、選手たちは一様に男泣きで喜んだ。

 「自分たちの求めた世界一にはなれなかったが、この舞台で結果を出せた。たくさんの人に支えられてここにいる。やっとメダルで応えられた」

 眼鏡の内側を曇らせた池崎は、あふれる思いを一気にまくし立てた。1次リーグ・米国戦では、第4ピリオド終了間際に自身のキャッチミスから延長戦に持ち込まれた末に敗れた。敗戦の責任を一身に背負った背番号7だったが、気持ちは完全に切り替えていた。

 「一度(どん底まで)沈んでいいから、明日までに戦えるメンタルにしよう」。準決勝でオーストラリアに敗退後、主将の池は全選手に訴えていた。第1ピリオド。両チーム交互に得点が重ねられていく中、守備に回った4―3の場面でターンオーバー。日本が連続得点でリードを広げると、その後も巧みなインターセプトや激しいタックルでターンオーバーを重ね4点のリードを奪った。

 第4ピリオドには開始直後の失点で1点差に詰め寄られたが、その後に池が見事なインターセプトを見せ、池崎へパスをつないでリードを3点差に。前回ロンドン大会銀メダルのカナダは最後まで追いすがったが、日本も気を抜くことなく戦い抜き、荻野晃一監督も「最後まで気を抜かず、気持ちも負けていなかった」と選手を称えた。

 チーム最年少26歳の乗松は「今回は銅メダルだが、まだ上がある。明日から4年間、しっかり頑張り、東京で金を獲りたい」と言い切った。車いすに乗ったラガーマンたちが、4年後再び、日本を熱くさせる。

 ▽車いすラグビー だ円球ではなくバレーボールを基に開発された専用球を使い、4人対4人で争う。コートはバスケットボールと同じ大きさで、前方へパスが可能。ボールを持って敵陣のゴールラインを越えると1点。カナダで考案され、2000年シドニー大会から正式競技になった。選手は障がいの程度に応じて0・5点から0・5点刻みで3・5までの持ち点(小さいほど重度)が付けられ、コート上の4人の合計は8点以内でなければならない。

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