【パラリンピアン支える力】国産の板バネで4年後の金メダルを

[ 2016年9月18日 10:00 ]

男子100メートル決勝 ゴールする山本篤(右)

 リオでの熱戦の裏で、東京を見据えた戦いが始まっている。走り幅跳びで使われるアスリート用義足板バネの世界においてだ。競技会での板バネはドイツのオットーボック社製が6割、アイスランドのオズール社製が3割を占める。日本は福祉機器メーカーの今仙技術研究所がわずか1割。2大メーカーに対抗するべく、同社が手を取り合う相手として声を掛けたのがミズノだった。

 義足にかけては一日の長がある今仙と、トップアスリートの動作分析やゴルフクラブやテニスラケット、野球のバットなどに使用されているCFRP(炭素繊維強化プラスチック、いわゆるカーボン)製法にたけるミズノ。提案を受けたミズノは1カ月ほど社内で検討して受諾。14年8月から共同開発が始まった。

 板バネの特性そのものは海外メーカーのものと、ほぼ変わらないという。こだわったのは日本人の体形に合った軽量化だ。足と板バネを接合する部品を見直すことで、大腿用で80~100グラム、下腿用で30グラムの軽量化に成功。スパイクソールも軽いだけではなく、トラック内外で着脱できる他社にはない日本人らしいアイデア商品と言える。

 元世界記録保持者の山本篤の助言などを受け、16年7月にはプロトタイプの試作品を公開。リオには間に合わなかったが、10月には25万円前後での発売が決まった。

 開発の世界で五輪周期の4年という期間は決して長くない。だが得意分野を持ち寄っての開発なら…。「東京では日本人選手が国産板バネを使ってメダルを獲得するのが目標」と両社は声をそろえる。4年後、MADE IN JAPANのメダリストが誕生するか。日本メーカーがプライドを懸けた戦いに挑む。

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