五輪の女神も後押ししたくなる女王・伊調馨の謙虚さ

[ 2016年9月18日 10:00 ]

国民栄誉賞決定会見中に笑顔を見せる伊調馨

 担当ではないため、レスリングの取材はこれまでに数えるほどしかない。伊調馨のこともよく知っているわけではないが、国民栄誉賞受賞の会見で、その人柄が少し分かった。リオ五輪で女子個人種目では史上初の4連覇を達成。アスリートとして頂点に達しながら、女王はどこまでも謙虚なのだ。

 レスリング界では吉田沙保里以来の国民栄誉賞となったが、伊調は「同じ賞をいただくことになったけど、沙保里さんと同等とは思っていない」と言う。世界選手権も10度制しており、レスラーとして獲得できる全ての勲章を得たといっても過言ではないが、「自分の中ではまだ通過点。レスリング人生はまだ半分。50点くらい」と自己採点はどこまでも低い。

 世間に露出するのは好きではない。マスコミ対応も苦手。そんな自分にも、厳しい目を向ける。「レスリングの普及や発展に尽力できなかったと反省している。レスリングがメジャーになるように、自分も変わっていかないといけない」。ファンとの触れ合い方についても、「声をかけられるのはすごくありがたいこと。“ありがとうございます”と2、3分お話できたらいい人間だと思うけど、私はすごくつまらない顔をして、早くこの場から立ち去りたいと見えるかもしれない。申し訳ないと思っている」と話した。

 受賞会見は周囲への感謝と、自身への辛口コメントに時間を費やした。少しくらい天狗になっても、誰も文句を言わないだろうに。五輪4連覇も国民栄誉賞も決めたリオ五輪の決勝。終了間際の大逆転劇。五輪の女神が背中を押したくなる気持ちが、理解できた。(杉本 亮輔)

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