遼“大人の堅首”ツアー初Vから10年、17日は25歳の誕生日

[ 2016年9月17日 05:30 ]

<ANAオープン2日目>15番、ティーショットを放ち打球を見つめる石川遼

男子ゴルフツアー・ANAオープン第2日

(9月16日 北海道北広島市 札幌ゴルフ倶楽部輪厚コース=7063ヤード、パー72)
 がっちりトップをキープした。石川遼(25=CASIO)が6バーディー、3ボギーの69で回り、通算12アンダーの132で単独首位を守った。17日が25回目の誕生日。15歳のツアー初優勝から10年という節目の年に飾りたい通算15勝目がまた一歩近づいてきた。1打差の2位にブレンダン・ジョーンズ(41=オーストラリア)が続いた。

 スコアを3つ伸ばして首位をキープしたが、石川の表情はやや不満そうだった。前半のアウトで5つ伸ばしながら、後半でミスが続いて2つ落とし、「10番の1Wのミスからちぐはぐになってしまった。ドタバタを取り返すのに時間がかかってしまった」と反省。だが、そこから大崩れしなかったことが成長の証でもあった。

 出だしの1番で4メートルを沈めてバーディーが先行すると、再び4メートルを沈めた4番から3連続バーディーとパッティングがさえた。だが、後半の10番で1Wを左に曲げると、残り130ヤードの第2打が「フライヤーしてしまい、フックをかけようと思ったのがかからずに飛んでしまった」とグリーン奥にこぼしてボギー。「自分の想定している範囲に収まるミスじゃなかった」と切り替えられず、続く11番でもスコアを落とした。後半は風の影響で、前日100%だったパーオン率は72・22%(21位)。それでも、その後は1バーディー、1ボギー。スコアを落とすことなくまとめた。

 午後1時頃のホールアウト後は、昼食を取って5時前まで練習場で打ち込んだ。仕上げの練習グリーンではセンターシャフトのパターで数球打った。試合ではL字パターを使用しているが、フェースの向きを合わせるために取り入れている練習法だ。

 17日は25歳の誕生日。「もうそこまでうれしくない」と苦笑いしたが、07年マンシングウェアKSBカップを史上最年少の15歳245日で制してから10年がたつことになる。その間に日本ツアーで14勝を挙げ米ツアーにも参戦した。

 「昔は連続ボギーを打つと落ち込んだり、逆に取り戻そうとして空回りした。10年間でメンタル一つで目の前の一打はどうにでもできると学んだ。米ツアーに行ってメンタルが重要だと気づいた」。誰よりも密度の濃い10年間を過ごした。今後の10年は海外メジャー大会優勝を掲げる。「(ゴルフ人生の)マックスまで成し遂げたい」。今大会での25歳初優勝がゴルフ人生第二章の幕開けとなる。

 ▽ゴルファー遼の歩み 

 ・15歳 マンシングウェアKSBカップでアマチュアながらツアー優勝

 ・16歳 08年1月にプロ宣言し、高校生プロに

 ・17歳 11月のマイナビABCチャンピオンシップでプロ初優勝。4月にはマスターズに特別招待される

 ・18歳 最終戦の日本シリーズJTカップで19位となり、自身初の賞金王に。18歳80日での快挙は史上最年少記録

 ・19歳 11月の三井住友VISA太平洋マスターズで優勝

 ・20歳 主軸は日本に置きながらも、米ツアーに多数参戦

 ・21歳 12年11月の三井住友VISA太平洋マスターズでツアー通算10勝目を挙げる。21歳での達成は史上最短。13年から米ツアーに本格参戦

 ・22歳 14年7月の長嶋茂雄招待セガサミー・カップで約2年ぶりの優勝

 ・23歳 米ツアーでは15年プレーヤーズ選手権8位など上位争いの回数も増加

 ・24歳 16年2月に腰痛のため米ツアーを一時離脱。3月に一般女性との結婚発表。8月にRIZAP・KBCオーガスタで復活優勝

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