国枝&斎田 涙の銅!日本勢対決制し4大会連続メダル死守

[ 2016年9月17日 05:30 ]

<リオパラリンピック>男子ダブルス(車いすテニス)表彰式、銅メダルを獲得し笑顔を見せる国枝(右)と斎田

リオデジャネイロ・パラリンピック 車いすテニス男子ダブルス3位決定戦 国枝・斎田6―3、6―4三木・真田

 車いすテニス男子ダブルス3位決定戦では国枝慎吾(32=ユニクロ)斎田悟司(44=シグマクシス)組が三木拓也(27=トヨタ自動車)真田卓(31=フリー)組を6―3、6―4で破り、銅メダルを獲得した。国枝は04年アテネ大会から4大会連続5個目のメダル獲得となった。競泳男子100メートル自由形(視覚障がいS11)では木村敬一(26=東京ガス)が3位となり、今大会4つ目のメダルを獲得。陸上男子1500メートル(車いすT52)では佐藤友祈(26=WORLD―AC)が400メートルに続いて2つ目の銀メダルを手に入れた。

 大会前に思い描いていたラストシーンとは違う。最後に勝って手にしたのはシングルス3つ目の金メダルではなく、ダブルスの銅メダル。それでも最後のポイントが決まると、雄叫びを上げ、斎田と肩を抱き合った。そして泣いた。

 「シングルスで悔しい思いをして、苦い大会になった。でもこの銅メダルで少しは報われた。メダルがあるのとないのとでは大きく違う」

 2日前のシングルス準々決勝に敗れ、3連覇の夢を断たれた。右肘の故障による調整遅れが響いた今大会。ダブルス3位決定戦が唯一残されたメダルのチャンスだった。「まだまだ若いものにはやられないぞ、と」気持ちにスイッチを入れてコートに入った。

 積極的な強打で攻めてくる後輩ペアに、攻撃では対抗しなかった。センターコートはベースライン後方のスペースが広いため、斎田とともに深く下がってボールを拾った。守り重視で我慢した。第1セットを6―3で奪取。第2セットは2―4と一時リードを許したが、狙い通り相手のミスを誘って4ゲーム連取で勝負を決めた。

 「内容がエキサイティングかどうかは疑問がつく。でも、それだけ勝ちたかった。割り切りました」。04年アテネ大会の金メダルペアは勝負に徹した。国枝はベテランの意地で4大会連続のメダルを守った。

 今後について2日前には休養の可能性も示唆していたが、「普通のツアーに戻りたい気持ちが強くなった」と言った。2週間後の米国の大会へもエントリーを済ませた。「この銅メダルが心の支えになる」。20年東京大会での5大会連続メダル獲得、そして金メダル再奪取へ。再起を決意させる、大きな意味を持つメダルだった。

 金メダルだった04年アテネ大会から国枝とコンビを組む斎田も「勝って終われてよかった。ホッとしました」と涙をこぼした。2人は東京大会でもコンビを継続する意向で、斎田は「4年後、同じ戦いをしたら勝つことはできない」と気を引き締めた。一方、公式戦で初めて日本のベテランペアに挑んだ31歳の真田は悔しさをにじませながらも「新しい世代のテニスをできたのは僕たち」と胸を張った。

 ◆国枝 慎吾(くにえだ・しんご)1984年(昭59)2月21日、千葉県生まれ。麗沢高―麗沢大卒。両下肢まひ。04年アテネ大会はダブルス金、08年北京大会はシングルス金、ダブルス銅、12年ロンドン大会はシングルス金。1メートル73、70キロ。
 ◆斎田 悟司(さいだ・さとし)1972年(昭47)3月26日、三重県生まれ。四日市大卒。左下肢切断。96年アトランタ大会から6大会連続出場。国枝とのペアで04年アテネ大会金、08年北京大会銅。1メートル85、72キロ。

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