正木「勝てるだけの稽古を積んだ」軽やかにV2宣言 後輩大野に刺激

[ 2016年9月8日 05:30 ]

練習を終えて記念撮影するパラ柔道日本代表。下段左から半谷、石井、広瀬順、米田。上段左から北薗、広瀬悠、正木、広瀬誠、藤本

 リオデジャネイロ・パラリンピックは7日(日本時間8日午前6時15分予定)、リオデジャネイロ市中心部のマラカナン競技場で開会式が行われる。柔道100キロ超級のロンドン大会金メダリスト、正木健人(29=エイベックス)は6日、練習会場で調整。体重は4年前から約10キロ絞った145キロとなり、V2仕様ボディーに手応えを示した。

 約1時間半、打ち込みなどで汗を流した正木は「調子はいたっていい。早く試合の日になってくれないかな」と残り4日に迫った出番(10日)に胸を躍らせた。

 余裕すら感じる口ぶりは理想とする肉体が完成した自信の表れだ。金メダルを獲得したロンドン大会後はあん摩マッサージ指圧師の資格試験の勉強で十分な稽古ができなかった。14年には右膝を負傷。体重は一時180キロまで増え、国際大会で結果も出なくなった。「もう一度体づくりから見直そう」。今年1月から肉体改造に着手。猛稽古とバランスの取れた食事で体重を落とし、現在は145キロとなった。「脂肪は20キロ以上落ちた。ロンドンの時よりも10キロ軽い。動けるようになったし、スタミナもついた」。膝への負担も減って、動きに切れが戻った。

 視覚障がいの選手で争われるパラリンピックの柔道。生まれつき弱視の正木は柔道の名門・天理大4年時に視力が0・03まで下がり、卒業後に取り組むようになった。25歳で挑んだロンドン大会で柔道では日本勢唯一となったメダル(金)を獲得。今回は連覇の期待が高まっている。指導を受ける元世界王者で天理大の穴井隆将監督からは「一戦必勝。しっかり戦えば優勝できる」とお墨付きももらったという。リオ五輪では天理大の後輩、大野将平も金メダルを獲得し、刺激をもらった。正木は「勝てるだけの稽古を積んできた。やっぱり正木は強かったと思わせたい。しっかり投げて勝ちます」と力強く語った。

 ◆正木 健人(まさき・けんと)1987年(昭62)8月9日、兵庫県生まれ。中1で柔道を始める。育英高3年の高校総体100キロ超級3位。天理大では団体戦のメンバーに入る。卒業後、徳島県立盲学校に入学し、視覚障がい者柔道に取り組む。1メートル91。

 ▽パラ柔道 男子は88年ソウル大会、女子は04年アテネ大会から採用。男子は7階級、女子は6階級。男子はソウル大会からメダル獲得が続いているが、女子はまだメダルはない

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