錦織 日本人初!シーズン全四大大会16強入り 悲願頂点へ“予告”

[ 2016年9月5日 05:30 ]

<全米オープン>3回戦を勝利し、ファンの声援に応える錦織圭

全米オープン第6日男子シングルス3回戦 錦織4―6、6―1、6―2、6―2マユ

(9月3日 ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 世界ランキング7位で第6シードの錦織圭(26=日清食品)が16強入りを決めた。男子シングルス3回戦で、初対戦の世界42位のニコラ・マユ(34=フランス)に4―6、6―1、6―2、6―2で逆転勝ち。同一年の4大大会全てで16強以上に進んだのは日本人初となった。次戦はサービスエースのツアー歴代最多記録を持つ世界23位のイボ・カロビッチ(37=クロアチア)と対戦する。

 強打の連打に耐えかねてロブを上げた。返ってきたスマッシュに、錦織は思い切ってラケットをぶつけた。フォアハンドのパッシングショット。芯を食った球は強烈なカウンターとなって決まり、客席から大歓声が上がった。

 第2セット中盤。「半分諦めていたポイント。なかなかクリーンヒットもない中で自信になった」。続くゲームでもフォアで決定打を奪った。徐々に球が伸び始め、錦織が試合を支配し始めた。

 第1セットは得意のラリーで付け入る隙を見いだせなかった。特に苦しんだのがマユの糸を引くスライス。浅くなった返球をいいように叩かれた。「ストローク戦で勝てないとどうしようもない。よりラケットを振って、スライスに対して重く、深く返すことを心がけた」と苦境を打開した。

 一年を通じて全ての4大大会で第2週まで残ったのは、錦織にとっても、日本人選手としても初めてのこと。優勝を狙うトップ選手として「まだまだベストな試合はない」と満足感はないが、3試合ストレート勝ちがなく、必ず劣勢に陥っても“問題解決能力”の高さで道を切り開いてきた。

 ただし解決の糸口が見えないのはサーブの低調ぶりだ。第1サーブの確率は初戦の55%、2回戦の56%に続き、この日は46%まで落ち込んだ。「第1サーブは一番の課題」という中で次戦の相手は最速251キロを誇る“怪物サーブ”のカロビッチ。ブレークするのは容易ではなく、自分のサービスゲームにも重圧が大きくのしかかる。

 「直さないといけない部分の方が今は多い。そうしないと格上の選手には到底勝てない」。順当にいけば準々決勝ではA・マリー(英国)も待っている。そこまで見据えるからこそ、こんな言葉も出た。「そろそろもう少しテニスのギアを上げていきたい」。頂点への道のりはここから一気に険しさを増す。

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2016年9月5日のニュース