桐生、戦後初変則3冠 200出場後ぶっつけ1600リレー

[ 2016年9月5日 05:30 ]

<日本学生対校最終日>男子1600メートルリレー決勝 第3走者・桜井(左)にバトンを渡す第2走者・桐生

陸上日本学生対校選手権最終日

(9月4日 埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
 今季の国内最終戦に臨んだ桐生祥秀(20=東洋大)が、“変則3冠”を達成。200メートル準決勝を20秒92(向かい風0・3メートル)、決勝を20秒60(向かい風0・1メートル)で制した後、この日3本目のレースとなる1600メートルリレーに出場。第2走者で東洋大の初優勝に貢献し、前日の100メートルと合わせて3種目で優勝した。100メートルと200メートルの2冠は06年高平慎士(順大)以来10年ぶり18人目となり、大学陸上界の歴史にまた名前を刻んだ。

 最後に最もキツいレースが待っていた。桐生は急きょ1600メートルリレーに出場。第2走者を任された。5番手前後でバトンを受けると向正面で2番目に浮上。最後は順位を下げたものの後続が逆転して初優勝を飾った。今大会9本目のレースで体力を全て使い切った。

 「感触は分かんないです。必死でした。最後の直線は“なげー”って感じでした」

 200メートル決勝を制した直後、土江コーチから出場を通達された。「“オーダーを出したから”と言われました。もう行くしかないなと」。洛南高2年以来4年ぶりの同種目出場で、高校3年の11月に400メートルを個人種目で走って以来となるトラック1周。アンカー・ウォルシュのアドバイスで、サングラスをかける遊び心を持って走り抜いた。

 400メートルリレー決勝は仲間の故障で優勝を逃したものの、1600メートルリレーで勲章を手に入れ3冠を達成した。100メートルと200メートルに1600メートルリレーを加えた3冠は戦後初の偉業。得意の擬音語も健在だ。「前半スーっと行ける感じで100でガッと来た。ハム(ストリング)がオオーっとなりそうだったのでリズム良く走った」

 今大会のテーマである中盤でギアを上げる走りをしながらも、疲労を考慮して最大出力を出さずに納得の走り。来年は世界選手権(ロンドン)が待つ。100&200メートルの2種目出場にも手応えをつかんだ。

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