“ニュー桐生”向かい風でも10秒12 スタート重視捨て中盤勝負

[ 2016年9月3日 05:30 ]

<日本学生陸上競技対校選手権大会・男子100M準決勝>1位でゴールする東洋大・桐生(左は法大・大瀬戸)

日本学生対校選手権第1日

(9月2日 熊谷スポーツ文化公園)
 ニュー桐生で9秒台に突入する。リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダリストの桐生祥秀(20=東洋大)が五輪後初試合に臨み、100メートル準決勝で向かい風0・8メートルの中、10秒12をマーク。トップで3日の決勝に駒を進めた。スタート重視だった今季の走り方を中盤重視に変え、ユニホームもスパイクもチェンジ。さまざまな物を一新した20歳が“10秒の壁”を突き破る。

 足だけでなく、切り替えも早い。リオ五輪閉幕から12日。桐生が変わった。今季重点を置いていたスタートへのこだわりを捨て、得意の中盤を重視。「スタートで使っていた力を中盤で全部使ってやろうと。得意な部分を思いっきり伸ばそうという気持ち」。予選は10秒26だったが、準決勝では大会記録に0秒01に迫る10秒12の好タイム。ユニホームもこれまでのランニングではなく体に密着した半袖シャツを着用し、スパイクもピンの位置を変えていた。

 リオ五輪の400メートルリレーでは銀メダルを獲得したが、100メートルは無念の予選落ち。「100メートルはめっちゃ悔しかったんで」。リオから日本へのフライトで自身のレースの動画を見て、スタートで力を使いすぎていることに気づいた。2日ほどの帰国後の練習で、ためらわずにレーススタイルを変更。「いろいろ試している」と手探りの状態だが、表情は明るい。

 3日は200メートル予選、100メートル決勝、400メートルリレー決勝に登場。「タイムを狙うしか今はないんで」。ニュー桐生が、日本初の9秒台へ激走する。

続きを表示

2016年9月3日のニュース