大坂夏の陣!初の全米OP最速201キロサーブでシード撃破

[ 2016年8月31日 05:30 ]

200キロ超えのサーブを見せる大坂

テニス全米オープン第1日 女子シングルス1回戦 大坂6―7、6―3、6―4バンダウェイ(米国)

(8月29日 ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター)
 女子シングルス1回戦で、世界ランキング81位で18歳の大坂なおみが、シード選手を破って大会初出場初勝利を挙げた。同30位で第28シードのココ・バンダウェイ(24=米国)に6―7、6―3、6―4で逆転勝ち。勝負どころでは最速201キロの弾丸サーブを叩き込み、両者合わせてサービスエース21本の“乱打戦”を制した。2回戦では予選上がりの段瑩瑩(ダン・インイン)(27=中国)と対戦する。

 大舞台で大事な局面になるほど力を発揮する。瀬戸際に追い込まれて大坂のスイッチが入った。3―3で迎えた第3セットの第7ゲーム。0―40の大ピンチで、得意のビッグサーブが爆発した。

 相手のリターンミスで15―40とした後、次のサーブは大坂本人だけでなく、この日の女子全選手で最速となる時速201キロ。30―40として続けざまに2本連続となるサービスエースを叩き込むと「カモーンッ!」と雄叫びを上げた。ここをしのいで第10ゲームのブレークにつなげた。

 「あまり覚えていない」と言うほど集中していたこの場面。サーブのスピードについても「ああ、そっか。分からなかった」とまるで意識はなかった。「セリーナ(ウィリアムズ)がするようにやっただけ。彼女は劣勢の時にエースを決めるでしょ?」。大坂を指導する日本代表の吉川真司コーチが「無になった時に彼女の本能が出る」と語ったように、まさに本能で叩き込んだエースだった。

 第1セットをタイブレークで落としても「ビヨンセの曲を頭の中で歌ってリラックスするように心掛けた」と気持ちを切り替えて挽回した。バンダウェイに12本のサービスエースを打ち込まれても9本お返しして、シード選手と互角以上に渡り合った。ウィンブルドンは右膝のケガで欠場となり回復に約1カ月を要した。復帰後は思うような結果が出ずに「少し自信をなくしていた」というが、その不安も消えた。

 3歳の時に大阪から家族で最初に移り住んだのがこのニューヨーク。今大会の会場は普段は一般開放されており、幼い頃にハイチ出身の米国人の父・レオナルドさんに手ほどきを受けた思い出の場所でもある。全豪、全仏に続いて4大大会3戦連続での1回戦突破。大舞台に強い18歳に再び快進撃の気配が漂ってきた。

 ▽女子最速サーブ 現在の世界最速記録は、14年バンクオブザウエスト・クラシックでザビーネ・リシキ(ドイツ)がマークした210・8キロとされる。さらにビーナス、セリーナのウィリアムズ姉妹(米国)が、それぞれ07年全米オープン、13年全豪オープンで207キロ台を叩き出したことがある。だが、女子で200キロ台を記録する選手は世界的にも少ない。

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