神鋼 WTB山下 復活トライ「昨シーズンは1本も取れていない 気持ちいい」

[ 2016年8月27日 22:36 ]

後半、神戸製鋼・山下楽がトライ

トップリーグ第1節最終日 神戸製鋼27―17NTTコミュニケーションズ

(8月27日 神戸ユニバー競技場)
 銀色の髪の毛の色に負けないインパクトを残した。神戸製鋼のWTB山下楽平が7―17の後半7分に追撃のトライ。敵陣22メートル外側で得たスクラムからフェーズを重ね、ゴール前10メートル弱のラックから自ら持ち運んで抑えた。WTBという持ち場を離れての1本は、機転と嗅覚が効いていた。

 「ハーフ(SH)が遅れていたのでさばこうとして(密集に)行って、前が空いていたので」

 安どの表情は苦難の時間が長かったからでもある。ルーキーイヤーの14年度にいきなりトライ王に輝いたものの、その後は故障続き。左ひざを手術し、昨季は2節目に左足首を骨折してシーズンを棒に振った。順風満帆なら、7人制の日本代表としてリオ五輪に出ていてもおかしくなかった。

 銀色の髪の毛は決意の表れ。「昨シーズンは1本も取れていない。気持ちいい」の言葉から、復活トライの喜びが伝わった。

 今季から指揮を執るジム・マッケイヘッドコートは昨季まで2年間続いた南アフリカ式の守備型ラグビーから脱却し、ボールを動かすラグビーを標榜している。ただし、この日は横に動くばかりで、アタックで縦に鋭く崩した場面はほとんどなかった。反則を多く誘ったスクラムをのぞけば、山下楽とWTBアンダーソン・フレイザーの個人技がよりどころだった。

 第2節は9月2日(神戸ユニバー競技場)で3連覇中のパナソニックと対戦する。13連敗中の相手に「神戸に入って勝っていない。100%の力を出したい」と、山下楽は力を込めた。序盤戦最初の山場だ。アタックの精度が未知数なだけに、和製トライゲッターの復活は明るい材料。銀のエンゼルとなって、王者から王冠を奪う手はずを整える。

続きを表示

2016年8月27日のニュース