ヤマハ、王者パナに会心の勝利 五郎丸の穴を組織力で埋めた

[ 2016年8月27日 05:30 ]

<パナソニック・ヤマハ発動機>前半、先制トライを決めるヤマハ発動機のサウ

ラグビートップリーグ第1節第1日 パナソニック21―24ヤマハ発動機

(8月26日 秩父宮)
 14年目のシーズンが開幕し、昨季3位のヤマハ発動機が4連覇を目指すパナソニックを24―21で破り、白星発進した。日本代表FB五郎丸歩が移籍した中、強みであるスクラムで王者を圧倒。後半にはスクラムで認定トライを奪うなどFWを起点に計3トライを奪った。昨季、過去最低の9位と低迷したサントリーは近鉄に14―13で競り勝った。

 白いセカンドジャージーに身を包んだヤマハ発動機のFWが、一つの塊となって王者に圧力をかける。後半8分、パナソニックゴール右前5メートルでのスクラム。8人が一体となっての力強い前進に認定トライを告げる笛。プライドが凝縮されたプレーが、開幕戦勝利への道を大きく切り開いた。

 「スクラムには長く時間をかけてきましたから」とフランカーの三村主将。清宮監督も「ヤマハのスタイルを出すことができた。ほとんどFWの8人が呼び込んでくれた勝利」と表情を緩めた。

 監督、長谷川コーチが就任した11年度以降、姿勢や最前線の3人に後ろから力を伝える組織的な動きなど細部にわたってスクラムを強化してきた。今年7月には静岡県磐田市内のグラウンドに約10度の傾斜をつけたスクラム専用練習場も完成。より大きな負荷をかけて練習で鍛え上げてきた。

 開始2分、最初のスクラムで相手の反則を誘うと、その後もマイボールスクラムでことごとくペナルティーを獲得した。24―21の3点差に迫られての後半32分のスクラムでは、相手プロップのシンビンを誘発。相手の反撃ムードをしぼませた。

 チームの顔として攻守に強い存在感を示してきたFB五郎丸が、スーパーラグビーのレッズ(オーストラリア)を経て、世界的強豪のトゥーロン(フランス)に移籍。清宮監督は昨季から選手を3人増やし、50人体制として選手間の競争意識をさらに高めることでもチーム全体の底上げを図った。「Bチームも強いですよ」と長谷川コーチは日々の練習の充実度を強調する。大黒柱が抜けた穴を、個々の高い意識、努力と組織力でカバーして、ヤマハ発動機が最高のスタートを切った。

 ▽今季のトップリーグ開催方式 16チーム総当たりのリーグ戦の成績で順位を決定し、プレーオフは行わない。順位は勝ち点(勝ち=4、引き分け=2、負け=0、ボーナス点として7点差以内の負けに1、勝敗にかかわらず相手よりも3トライ以上を挙げたチームに1)で決定し、並んだ場合は(1)勝ち数の多いチーム(2)得失点差の多いチーム(3)当該チーム同士の試合で勝ち点の多いチームの順に上位となる。ハーフタイムは昨季までの「10分以内」から「12分以内」に変更。また、当該年度の6月末時点で他国の代表になっていない外国籍選手を「特別枠」とし、最大同時に4人の外国籍選手がプレーできる。

続きを表示

2016年8月27日のニュース