すでに視線は東京五輪へ…男子バスケット、4年後を見据えた強化活動

[ 2016年8月14日 10:45 ]

ラトビア戦で作戦を確認する田臥(中央)ら日本代表(日本バスケットボール協会提供)

 リオデジャネイロ五輪は柔道、競泳、体操など日本のメダルラッシュに沸いている。テレビも新聞もスポーツ報道は五輪一色だ。そんな中、ほとんど報道されることはないが、20年東京五輪に向けて動き始めている五輪競技がある。7月に世界最終予選に敗れて五輪出場権を逃したバスケットボール男子だ。日本代表は今月13日に、大阪・府民共済SUPERアリーナで、米国のジョージ・ワシントン大学と親善試合を行った。

 バスケットボール界としては画期的な試みである。76年モントリオール五輪を最後に出場が途絶えている男子。これまで五輪イヤーは国際大会がなく、日本代表は活動休止状態だった。それが今年は7月の五輪世界最終予選後も比江島慎、辻直人ら中堅、若手中心に代表活動を継続。五輪の裏で4年後を見据えた強化活動を続けている。

 今回日本協会が招へいしたジョージ・ワシントン大は今年3月の全米招待トーナメントを制した強豪チームで、将来のNBAドラフト候補とも言われている2メートル3のオールラウンダー渡辺雄太(新3年生)が在籍している。今回、渡辺は日本代表ではなく、ジョージワシントン大のメンバーとして出場。初戦の日本は66―81で負けた。5本の3点シュートを決めるなどチーム最多の19得点を稼いだガードの辻は「若いチームなので、もっとアグレッシブにシュートを狙っていったり、守備でも攻め気を持って、チームに良い流れを呼び込むようなプレーを多くしていかないといけない」と反省の言葉を並べた。

 3大会ぶりに五輪に出場している女子は1次リーグで格上のベラルーシ、ブラジルを撃破し、96年アトランタ五輪以来20年ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。男子は指をくわえてながめているわけにはいかない。バスケットボールは20年東京五輪に開催国枠で出場できる保証はない。予選に回ることになれば、今のレベルのままでは勝ち抜くのは簡単なことではない。

 第2戦は16日に両国国技館、第3戦は19日に浜松アリーナで開催される。国内のリーグ戦では外国人選手とマッチアップする機会は少ないだけに、代表経験の浅い選手にとってこんな貴重な機会はない。普段味わうことのない相手の当たりの強さや腕の長さに戸惑うことも多いだろうが、すべては経験としてプラスになる。20年東京五輪に向けて、競技力向上の歩みを止めてはいけない。(柳田 博)

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2016年8月14日のニュース