桐生、10秒23予選敗退も「悔いない」 同組ボルトに完敗

[ 2016年8月14日 06:10 ]

100メートル予選で桐生(手前)はボルト(右)に力の差を見せつけられる

リオデジャネイロ五輪陸上・男子100メートル

(8月13日 五輪スタジアム)
 男子100メートル予選が行われ、7組の桐生祥秀(20=東洋大)は10秒23の4位で準決勝進出はならなかった。4組のケンブリッジ飛鳥(23=ドーム)は10秒13の2位で突破、8組の山県亮太(24=セイコーホールディングス)は10秒20の2位。3連覇を狙う世界記録保持者のボルト(29=ジャマイカ)は桐生と同じ7組で、10秒07の1位で突破した。

 日本短距離界の期待の星の五輪デビューは苦い結果に終わった。桐生は念願のボルトと同組。スタートで勢いよく飛び出したものの、中盤以降で伸びずに予選7組の4位。準決勝進出を逃した。

 「自分で思い切っていったので後悔はない。凄く楽しいオリンピックの100でした。4年前はオリンピックなんて考えられなかった。4年間で人はどれだけでも変われる。このオリンピックを踏まえて東京に向けていきたい。ボルト選手がいたからこそ、いつもと違う雰囲気を味わえた」

 五輪は子供の頃から憧れ続けてきた舞台ではない。陸上をテレビで見る少年ではなかった。小学生の頃になりたかったのはサッカー選手。中学で陸上を始めた時も興味は世界のトップアスリートではなかった。

 「ゲームもないし、ずっと公園で遊んでいました。スポーツを見るよりも、自分がスポーツをしている感じだった」

 08年北京五輪の男子400メートルリレー。銅メダルを獲った日本陸上界の一大ニュースも「ユーチューブで見たのか、ビデオだったのか、テレビなのか。見過ぎて分かりません」と、記憶は曖昧だ。それだけ世界大会に無頓着だった男が、12年ロンドン五輪後から変わった。洛南高校2年の11月に10秒19の18歳以下の世界新記録をマークした。

 「タイムが出始めて、そのあたりからオリンピックを意識し始めた」

 13年4月に日本歴代2位の10秒01をマークした。8月のモスクワ世界陸上は予選で10秒31の4位。3位の選手と0秒01差で敗退した。その後は度重なる故障に悩まされたために今回に懸ける思いは強かったが、日本のエースの100メートルはあまりに早く幕を閉じた。

 ▼ボルト ベストなスタートではなかった。こんなに早い時間に走ることに慣れていない。あしたはもっと良く、もっとスムーズになるだろう。

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