マラソンなら言える！福士加代子、史上３人目の“金メダル獲るべ”

リオ五輪マラソン日本代表に内定し、笑顔でフォトセッションを行う（左から）伊藤、福士、田中

リオデジャネイロ五輪　女子マラソン

（8月14日）
　リオデジャネイロ五輪の陸上・女子マラソンが１４日（日本時間同日午後９時３０分）にスタートする。日本代表は４度目の五輪出場でマラソンは初めてとなる福士加代子（３４＝ワコール）のほか、伊藤舞（３２＝大塚製薬）、田中智美（２８＝第一生命）が出場する。日によって目まぐるしく変わるリオの天候を味方に付けるのは誰か。マラソン復活へ、３人娘がメダル獲得に挑む。

　五輪ベテランの福士が初めてマラソンに挑む。３４歳での出場は女子マラソン最年長ながら、持ちタイムは３人の中で最上位。それどころか１月の大阪国際女子マラソンで出した自己最高の２時間２２分１７秒は、現時点で今シーズンの世界６位に位置付けている。公言している「金メダル獲るべ。リオで金メダルだべ」を実現させるべく、勝負に打って出る。

　自己記録を出した１月の大阪国際女子で復活を遂げた。日本陸上競技連盟が定めたリオ五輪の派遣設定記録（２時間２２分３０秒）をクリアして優勝。１３年世界選手権モスクワ大会で銅メダルを獲得した後は故障に苦しんでいたが、「２５キロ以降に両足の裏が痛くなって。３０キロからはどんどん痛くなった。いいやもう、折れてしまえと思いながら走った」と開き直って３年ぶりのマラソン勝利を収めた。同時にブラジル行きの切符を手にした。

　目標は高橋尚子、野口みずきに続く史上３人目の金メダル。たとえ、頂点を逃しても、０４年アテネ五輪以来、この種目３大会ぶりのメダルの期待が懸かる。女子マラソンの復活の期待を背負って走るリオ路でもあるのだ。

　「トラックだと金を狙うと言えなかったけど、マラソンだと言える。それは過去の先輩の功績があるから言える。狙っていきたい」

　３月の代表会見の時にはこう威勢よく話していたが、不安な点を残した。６月に右足甲の痛みを訴えて予定していた調整レースを欠場。昨年は３度の足の甲の疲労骨折があっただけに、周囲をヒヤっとさせた。だが、その後の米国コロラド州ボールダーでの高地合宿は順調だったもようだ。

　コースは平たん。難関は、海の近くを走る周回コースの風と、カーブが多い終盤の市街地の道路。日によって気温差が激しい季候だ。自分とコースに勝ち、リオのカーニバルのサンバ会場「サンボドロモ」で歓喜のゴールを迎える。