【林享の目】坂井 自分のペースを守ったことが後半勝負につながった

[ 2016年8月11日 07:24 ]

競泳 男子200mバタフライ 決勝2位でゴールし、笑顔を見せる坂井聖人

リオデジャネイロ五輪・競泳

(8月9日)
 初めての五輪とは思えないほど、落ち着いたレース運びだった。坂井は上下動が少なく、水の抵抗の少ない泳ぎが持ち味。200メートルバタフライでは前半と後半でタイムの落差の大きい選手も多いが、平均的に50メートル28~29秒台でラップを刻める。決勝も自分のペースを崩さず、最後に勝負を仕掛けられるように、150メートルまで力をためていた。ラスト50メートルは他の7選手がみなバテて30秒以上かかったが、坂井だけは29秒台(29秒67)で帰ってきた。フェルプスにはわずかに及ばなかったが、狙い通りのレースを展開し、銀メダルを手に入れた。

 瀬戸の陰に隠れて、大会前は目立たなかったが、もともとメダルの実力は十分あった。強みは安定感。昨年の世界選手権や今年の選考会など、大事なレースで失敗することがない。練習でもしっかり泳げる選手だと聞いている。今後4年間の成長が非常に楽しみだ。 (東海学園大水泳部監督、92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位)

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2016年8月11日のニュース