セブンズ再び金星! 格上ケニア下し自力で8強へ

[ 2016年8月11日 05:30 ]

<日本・ケニア>勝利を決め、喜び合う日本の選手たち(AP)

リオデジャネイロ五輪ラグビー・男子1次リーグC組 日本31―7ケニア

(8月10日 デオドロ競技場)
 歴史的勝利の勢いでメダルへ前進だ。男子日本代表は10日(日本時間11日未明)のケニア戦に31―7で勝利し、1次リーグC組を2勝1敗、勝ち点7の2位で準々決勝進出を決めた。日本は9日には優勝候補のニュージーランドを14―12で下す金星。同じく優勝候補の英国にも19―21と善戦した。昨年の15人制W杯で南アフリカを破った快挙に続き、再び世界のラグビー界に衝撃を与えた。準々決勝ではB組2位のフランスと対戦する。

 日本ラグビーが再び世界に衝撃を与えてから24時間。金星を生かすも殺すも決勝トーナメント進出が至上命令となる中、日本は格上のケニアを計5トライで下して8強入りが確定。瀬川智広ヘッドコーチは「1つ目の目標を果たせたのは良かった。結束力、自信が深まっている」と話した。

 ワールドシリーズで歴代通算1位の235トライの記録を持つウイングのインジェラら、類いまれな身体能力を持つ選手がそろうケニアに対し、日本の組織力が上回った。前半1分に羽野のトライで先制すると、追い付かれた後のロスタイムには連係して相手陣へ進出。最後は初日の「ドリームチーム」(ベスト7)に選出されたエースのレメキが個人技で抜け出して勝ち越しトライを奪った。後半も3トライを加え、終わってみれば危なげない圧勝劇だった。

 オールブラックスセブンズからの勝利の裏にも、日本の組織力のたまものと言える、絶対厳守の約束事があった。攻撃では「牛歩戦術」。反則をもらってもすぐに仕掛けず、布陣が整った状態でゆっくりと攻撃に入る。確実にボールをキープし、機を見て一気に勝負。前半3分の先制トライは、22メートル内側の右ラインアウトを起点に4人がつないで後藤が決めた。守りの約束はダブルタックル。身体能力の高い超人たちを止めるため2人で当たることを徹底した。

 開幕前夜、瀬川ヘッドコーチの言葉に選手全員が奮い立った。「今まで150人以上のスタッフが関わった。君たちはそのうちの12人。150分の12だ。ジャージーを着られることに誇りを持とう」。指揮官には期するものがあった。7月14日に父・恵司さんが他界(享年80)。前評判通りの結果を天国に届けるつもりは毛頭なかった。

 前主将の坂井は言った。「ここで結果を残してラグビー人気を加速させたい」。リーチや五郎丸らに比べれば無名の男たちが、大きな仕事をやってのけようとしている。

 ▼大会方式 1次リーグは4チームずつ3組に分かれ、各組2位までと各組3位のうち成績のいい2チームの計8チームが準々決勝へ進む。順位は勝ち点で争われ、勝ち=3点、引き分け=2点、負け=1点。勝ち点が同じ場合は(1)当該対戦(2)得失点差(3)得失トライ数差(4)総得点(5)総トライ数(6)シード順、の順番で順位を決める。8強入りを逃したチームは9~12位決定戦へ進む。

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