体操女子48年ぶり団体4位 寺本「みんな楽しくやりきった」

[ 2016年8月11日 05:30 ]

女子団体総合で4位となり笑顔を見せる(左から)宮川紗江、内山由綺、寺本明日香、杉原愛子、村上茉愛

リオデジャネイロ五輪体操・女子団体決勝

(8月10日 リオ五輪アリーナ)
 TOKYOでのメダルが見えた。女子団体総合決勝が行われ、日本は合計174・371点の4位。08年北京五輪の5位を上回り、68年メキシコ五輪以来48年ぶりの好成績を残した。寺本明日香(20=レジックスポーツ)を中心にまとまったチームは、大きなミスなく演技をつないで大健闘。20年東京五輪では、64年東京五輪銅メダル以来となる表彰台を狙う。

 少し悔しくて、でも、やっぱり嬉しくて自然と涙があふれてきた。3種目目を終えて3位につけた日本は最終種目の平均台をまとめたものの、ロシアに逆転されて4位。メダルには届かなかったが、68年メキシコ五輪以来の好成績だ。「結果がどうあれ、みんな楽しくやりきった演技ができて感動できた。チームの雰囲気は最高だった」と寺本主将は胸を張った。

 寺本、村上、内山、杉原、宮川の5人はチームワーク抜群だ。大学3年から高校2年までの構成。最低限のマナーを守るのは当然だが、敬語を使わず、先輩後輩の垣根はない。言いたいことを言い合い、互いに支え合う。誰かが好演技をするとみんなで称え、誰かが失敗するとみんなで励ました。寺本は言う。「団体でいい結果残したいという(内村)航平さんの気持ちが分かった」。仲間とともに同じ目標を追うことが、何よりも楽しかった。

 床運動で大きなミスがあった3位・中国とは1・632点差。まだ、点差以上に開きはある。圧勝した米国は別格としても、メダル争いを展開するにはDスコア(演技価値点)の向上が必要だ。「Eスコア(実施点)はだいぶ上がってきているけど、段違い平行棒や平均台のDスコアが足りない。自分にもチーム的にも」と村上は分析した。

 20年東京五輪では64年東京五輪銅メダル以来の表彰台を狙う。12年ロンドン五輪も経験した寺本は、現時点で4年後の夢舞台を視野には入れていない。「体操は好きなので続けるけど、私を抜かしてくれる子がいれば託せる。主将の仕事も後輩に伝えていきたい」。寺本が期待するのは、今大会をともに闘った仲間の成長、あるいはまだ見ぬ若い才能の台頭。リオの躍進が、4年後につながることを信じている。(杉本 亮輔)

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