大野将平 さらに成長「抜けた強さ」 東京五輪まで日本の大黒柱的な存在に

[ 2016年8月9日 09:55 ]

金メダルを手に笑顔の大野(AP)

 【金野潤の目】多士済々の73キロ級でも大野の強さは「抜けている」と感じさせる内容だった。世界選手権を2度制しているが、この大会に向けて明らかに成長したという点がいくつかあり、それが勝因となったと思う。

 1つは初戦を寝技で勝ったこと。以前の大野は立ち技だけのイメージがあり、相手は大野の組み手になったときも掛け逃げたり、畳の上につぶれたりした。だが「寝技もある」と見せたことで簡単には倒れられなくなった。これは大きかった。

 もう1つは、攻めが多彩になったこと。準決勝で対戦したバンティヘルトは大野の得意の内股、大外刈りを研究し、腰を引いて守る対策を立てていた。しかし、大野はいつもと逆の一本背負いや巴投げを繰り出し、一本勝ちしている。以前なら“正面突破”ばかりだった選手が、柔軟性を増した印象だ。

 今後も他の選手に研究される対象となるが、今回のような成長を見せてくれれば、そう簡単に負けることはないだろう。20年東京五輪まで日本男子の大黒柱的存在になると思う。(94、97年全日本選手権者、日大男子監督、文理学部准教授)

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2016年8月9日のニュース