“セルビアのクレオパトラ”マクシモビッチ 目指すは父と同じ金

[ 2016年8月7日 12:30 ]

セルビアの旗手を務めたマクシモビッチ(AP)

リオデジャネイロ五輪開会式

 楊貴妃がいてクレオパトラがいた。そんな開会式だった。102番目に入場したイタリアはモデルとしても活躍している競泳界の美女、フェデリカ・ペレグリニ(28、写真、AP)が旗手を務めたが、171番目のセルビアも応戦?メーキャップをして雑誌の表紙を飾った時に世界中から“セルビアン・ビューティー”と形容されたイバナ・マクシモビッチ(26)に先陣を切らせた。

 ロンドン五輪の射撃女子50メートルライフル3姿勢の銀メダリスト。ペレグリニは五輪で金と銀をそれぞれ1つずつ獲得しているが実績でも負けていない。「みんながやりたいという役目が私に回ってきた。ロンドン五輪の旗手はジョコビッチ(男子テニス)だったのでとても光栄です」。ロンドン五輪の後は交際を申し込む選手とソーシャルネットワークのフォロワーが急増したが、民族衣装を身に着けてセルビア国旗を持つその姿はこの日、ブラジル国民の間でも話題になった。

 両親とも射撃の元選手。父ゴランは88年ソウル五輪の金メダリストで、今大会では代表チームの監督を務めている。イバナは幼いころから父の指導を受けていた射撃界屈指の超エリート。昨年、セルビアのバスケットボール選手で現在ポーランド・リーグでプレーしているダニロ・アンダシッチ(25)と結婚したものの、依然として“ラブコール”は世界各所から湧き起こっている。

 「父のようになりたい」。セルビアが送り込んだクレオパトラの目標はただ一つ。ロンドンで逃した金メダルを獲得すれば偉大な父に追いつき、そしてイタリアの楊貴妃ともアスリートとして肩を並べることになる。

 ◆イバナ・マクシモビッチ 1990年5月2日、ベオグラード生まれの26歳。欧州選手権の50メートル3姿勢では13年が3位、15年が1位。15年ユニバーシアードでは10メートルエアライフルで3位。ロンドン五輪50メートル3姿勢では銀メダル。1メートル60、50キロ。

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