白井、跳馬で5つ目の新技申請 大舞台でリベンジ 決めて3冠へ 

[ 2016年8月4日 06:45 ]

跳馬の練習をする白井健三

 “ひねり王子”が、またその名を刻む。体操の監督会議が2日、会場のリオ五輪アリーナで行われ、日本男子の水鳥寿思監督は白井健三(19=日体大)が跳馬で挑戦する可能性のある「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」を新技として申請したことを明らかにした。五輪本番で成功して国際体操連盟(FIG)に認定されれば、床運動、跳馬と合わせて自身の名前がつく5つ目の技となる見込みだ。

 「3回半ひねり」には、五輪代表最終選考会だった6月の全日本種目別選手権で挑戦。ひねりが足りずに3回ひねりの「シライ/キムヒフン」となって失敗した。「もうあんな中途半端な実施はしたくない。尻もちをつくくらいでいきたかったけど、経験が足りなかった」と悔しさをあらわにしていた。代表決定後の合宿でも最初は前後に大きく揺れる本番器具に戸惑いを見せていたが、「3回半ひねり」の練習は続けていた。

 3日はリオ入り後、初めて本番会場のリオ五輪アリーナで練習を行った。6日の団体総合予選と同じ午前10時半からスタート。あん馬、つり輪は出番がなかったが、跳馬では「3回半ひねり」に2度挑んだ。ひねりが足りないなどの大きなミスはなく、選手や関係者は拍手で19歳を称えた。

 白井のリオでの最大目標は団体総合での12年ぶり金メダル奪回。「団体に(3回半ひねりが)必要ないと思えば、絶対にやらない」と話しており、1位通過を狙う予選(6日)、運命の決勝(8日)は新技を封印する可能性が高い。挑戦するなら種目別決勝の跳馬。新技の3回半ひねりを決めた時、団体、大本命の床運動に跳馬を加えた3冠が現実味を帯びてくる。

 ▼体操の難度 かつてAからCまでだったが、現在は男子がH、女子がIまで存在。新技に名前がつくには、通常は五輪や世界選手権、W杯など主要国際大会で初めて成功することが条件となる

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