ブラジル国民の60%「リオ五輪で損失」 国民生活は改善せず

[ 2016年7月28日 09:30 ]

 ブラジル紙エスタド・ジ・サンパウロは27日、リオデジャネイロ五輪は国に損失をもたらすと考える国民が60%に上るとの世論調査結果を伝えた。良い効果をもたらすと答えた人は32%にとどまった。五輪に対するブラジル国民の期待は薄いことが明らかになった。

 ロイター通信によると、五輪にかかる経費は400億レアル(約1兆3千億円)に上るとみられている。ブラジル経済は低迷が続き、治安や失業率が悪化。政府が五輪に巨額の公費を投じる一方で、国民生活は改善していないことが不満につながっている。

 2014年6~7月にブラジルで行われたサッカーのワールドカップ(W杯)前に行われた同様の調査では、良い効果をもたらすとした回答が43%で、損失の40%を上回っていた。だが実際にはW杯の経済効果は少なく、大会後に治安や経済が一層悪化したことが逆転の背景にあるとみられる。

 調査は7月中旬、ブラジル全土の2002人を対象に行われた。(共同)

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2016年7月28日のニュース