白井 五輪史に名刻む!10代で3冠なら日本勢初の快挙

[ 2016年7月28日 05:30 ]

リオ入りし、空港を警備する警察に目をやる(左から2人目から)内村、白井、田中、山室

 体操男子日本代表が27日、リオデジャネイロで初練習を行った。初五輪の白井健三(19=日体大)は今大会で金メダルを獲得すれば、体操ニッポンで史上最年少の金メダリストに。最大目標の団体総合に加え大本命の床運動、新技に挑む可能性のある跳馬を制し、10代で3冠なら日本勢で初めての快挙となる。夢舞台でも自然体の“ひねり王子”が、五輪史に新たな1ページを刻む。

 19歳の初めての五輪ライフが、本格的にスタートした。事前合宿を行っていたサンパウロから、26日に空路でリオ入り。到着時に「まだ(五輪が)始まっている感じはしないけど、リオに着いてホッとしている」と話していた白井は27日、内村らとともに選手村近くの練習会場でリオ入り後、初めて汗を流した。

 13年世界選手権の床運動で、17歳1カ月の史上最年少で金メダルを獲得。歴史に名を刻んだ“ひねり王子”は、リオ五輪でも金字塔を打ち立てる。五輪の体操ニッポンの最年少金メダリストは、68年メキシコシティーの団体優勝メンバー・監物永三の20歳8カ月。96年8月24日生まれの白井は、19歳11カ月でリオを迎える。最大目標の団体V奪回を実現すれば、最年少記録を更新だ。

 床運動は金メダルの大本命、跳馬も新技の「伸身ユルチェンコ3回半ひねり」を決めれば、金のポテンシャルを秘める。団体、種目別の2つを制して10代で3冠なら、体操界の枠を超えて日本勢で初めての快挙だ。「生活面も試合も、全部が楽しみ」と言う初めての五輪。視線の先には大きな夢が広がっている。

 サンパウロでは意識的に、追い込んだ練習をしなかった。「やりすぎないことが目標だった。その通り、ゆっくり調整できた」。13年から日の丸を背負い、19歳にして世界での豊富なキャリアがある。「あとは気持ちの面で落とさないよう、あまり考えすぎずに練習していきたい」。本番の地でも、自然体でコンディションを上げていく。

 まずは開会式翌日、6日の団体総合予選に集中。37年ぶりに団体金メダルを獲得した昨年の世界選手権と同様、別の班で演技するライバル・中国を上回ってのトップ通過が目標だ。「個人のことは団体の次でいい。どんな状況でも焦らずに対応していけば、いい演技ができる」。10代最後の大会で、“ひねり王子”が世界に衝撃を与える。

 ▼監物と五輪 20歳8カ月で初出場した68年メキシコで団体金メダル、鉄棒は銅メダル。団体は72年ミュンヘン、76年モントリオールと3連覇。他にミュンヘンの個人総合銀メダルなど、五輪で9個のメダルを獲得した。世界選手権と合わせた世界大会の総メダル数24は、内村航平と並んで日本人歴代最多。

続きを表示

この記事のフォト

2016年7月28日のニュース