ロシア出場不可100人超え CAS提訴の動きが焦点

[ 2016年7月28日 05:30 ]

 国ぐるみのドーピングが認定されたロシアのリオ五輪参加問題で国際ボート連盟は26日、同国がエントリーした28選手のうち出場資格を満たさない22選手を五輪から除外したと発表した。ロシアは当初387人の選手団を編成も、国際陸連からチーム全体が参加を禁じられた陸上などを含めると、出場不可は100人を超えた。国際フェンシング連盟は27日にロシア16選手の出場を認めたと発表。タス通信は体操と新体操の全選手の参加も認められたと報じ、各国際競技連盟(IF)で出場資格を判断するための作業が続いている。

 今後は参加資格がないと判断された選手がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する動きも焦点となりそうだ。ドーピング違反歴がないことが出場条件となったが、1つの違反に対して2度処分する「二重制裁」に当たる可能性もある。国際オリンピック委員会(IOC)は08年に「ドーピング違反で6カ月以上の資格停止処分を受けた選手は次の五輪に出場できない」とするルールを導入したが、これが「二重制裁」に当たるとしてCASに却下された経緯があり、五輪開幕が8月5日に迫る中で混乱が広がる危険性をはらんでいる。またロシアのプーチン大統領は27日、五輪代表選手らをモスクワのクレムリンに集めた壮行会で今回の件に触れ「露骨な(ロシア)差別であり、許容しない」と猛反発した。

 【主な国際競技連盟のロシアへの対応】
 フェンシング  16選手の出場認める
 柔道  11選手の出場認める
 射撃  18選手の出場認める
 テニス  8選手の出場認める
 アーチェリー  3選手の出場認める
 トライアスロン  6選手の出場認める
 近代五種  3選手の出場認める。2選手(うち補欠登録1)は不可
 バレーボール  男女の出場に前向き
 体操  体操、新体操全選手出場認める
 馬術  参加容認方針
 自転車  決定歓迎「状況見守る」
 水泳  7選手は出場不可
 カヌー  5選手は出場不可
 ボート  22選手は出場不可
 陸上  チーム出場禁止。各連盟と連携姿勢
 重量挙げ  違反相次ぎ出場絶望的
 バドミントン  4選手の出場認める

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2016年7月28日のニュース