【丸山茂樹メジャー基準】名勝負制したステンソン 勝因は強じんな精神力

[ 2016年7月19日 09:05 ]

優勝を決めたヘンリク・ステンソンはギャラリーの歓声にガッツポーズで応える

米男子ゴルフツアー 第145回全英オープン最終日

(7月17日 英国トルーン ロイヤルトルーンGC=7190ヤード、パー71)
 ゴルフの歴史に刻まれる名勝負を目の前で見ることができた幸せをかみしめている。大会記録を塗り替える通算20アンダーで勝ったステンソンのゴルフのクオリティーは記録にも記憶にも残るハイレベルなものだった。

 最大の勝因はメンタルの強さだ。1番を3パットのボギーにしたが、2番から3連続バーディーを奪い、11番でボギーの後も14番から3連続バーディー。ミスを引きずらずに流れを引き戻した。

 もちろん高い技術があるからこそメンタルの強さが生きたとも言える。アイアンの精度が尋常じゃなかった。どんな状況からでもピンに真っすぐ飛んでいった。パットのタッチも絶妙だった。メジャーで勝つにはパーオン率とパットが重要になるが、2つの条件を満たしていた。ティーショットはフェアウエーをキープできていたし、グリーンを外した時のリカバリーも含めて全ての要素のバランスが良かった。

 ステンソンは40歳、2位のミケルソンは46歳、4位のストリッカーは49歳。今大会は40歳代の選手が若手を抑えて上位に入った。ロイヤルトルーンGCの特徴が関係していると考えられる。

 アウトはアイアンでティーショットを打ってもショートアイアンでグリーンを狙えるホールが多く飛距離はそれほど必要ない。難易度が上がるインも警戒すべきホールで無理せず我慢すればスコアはまとまる。だからマネジメントのうまい選手が活躍したのだ。

 五輪代表ヘッドコーチとしてはリオ五輪に出場する選手が優勝してくれたのはうれしい。世界ランキングの上位が相次いで辞退したが、全英覇者が参戦することで大会の価値も高まるだろう。

 日本代表の池田は悔しい結果に終わった。ただ最終日の4バーディーは次につながる。この経験を全米プロ選手権、そしてリオ五輪に生かしてくれると期待している。(プロゴルファー、リオデジャネイロ五輪日本代表ヘッドコーチ)

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2016年7月19日のニュース