【丸山茂樹メジャー基準】松山不振の原因は悪天候だけにあらず

[ 2016年7月17日 09:10 ]

<全英オープン・第2日>17番、ボギーをたたいて険しい表情の松山

米男子ゴルフツアー 第145回全英オープン第2日

(7月15日 英国トルーン ロイヤルトルーンGC=7190ヤード、パー71)
 第2日は雨と風が強くなった。またスタート時間によって明らかなコンディションの差が生まれた。松山は風が強くなった午後に回ったが、同組のマキロイ、B・ワトソンを含む誰もが操作不能の船のように球をコントロールできない状態でゴルフをしていた。スコアを落とすのは仕方ない部分もあった。

 ただ松山は想像を超えたミスが目についた。残り100ヤードからグリーンに乗らなかったり。今までこんなミスは見たことがなかった。悪天候だけが原因ではないと思う。

 スイングを見ていても好調時とは違う。原因と思われる箇所はあるが、それは言うべきことではない。以前から見ている人が指導した方が良い。本人は全く手応えがないと話していたし、落ち込んでいた。ただこれも長いゴルフ人生の通過点にすぎない。乗り越えれば必ず凄いことをやってくれる選手なのだから私は心配していない。

 前週に予選落ちした池田は「調子は良い。流れがつかめなかっただけ」と話していた。その言葉を実証した。池田が回った午前中も雨が激しく決してやさしい条件ではなかった。雨の中で集中してラインを読み、パットのルーティンやリズムを維持するのは簡単ではない。またグリーンが水を含んで急に重くなりタッチを合わせるのも難しくなる。その中でミスを最小限に抑えたことを高く評価したい。

 ゴルフは生き物だ。理屈ではないところがある。調子が良いのにスコアにならないこともあるし、調子が良くないのに5アンダーが出ることもある。天候の変化が大きい全英オープンでは、そうしたゴルフの不思議さが如実に表れる。選手はそういうことも受け入れてスコアをつくっていかなければいけないのだ。(プロゴルファー、リオデジャネイロ五輪日本代表ヘッドコーチ)

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2016年7月17日のニュース