片山 運命のリオ参戦!亡き父は52年前の東京五輪聖火ランナー

[ 2016年7月13日 05:30 ]

リオ五輪への意気込みを語る男子ゴルフの片山晋呉

 リオ五輪の出場権を獲得した男子ゴルフの片山晋呉(43=イーグルポイントGC)が12日、都内で開催されたネスレインビテーショナル日本プロゴルフマッチプレー選手権レクサス杯(29~31日、北海道・恵庭CC)の出場予定選手発表会見に出席し、五輪出場を表明した。ジカ熱、治安などの問題がある中、リオ行きを決めた背景には日本を代表する使命感、日大の先輩である丸山茂樹ヘッドコーチ(46)、97年に亡くなった父・太平さん(享年53)への思いがあった。

 五輪出場を決断したのは10日夜だ。片山はジカ熱、治安などの問題もありリオ行きを迷っていた。しかし友人に言われた「日本人として、これ以上の日本代表はない」という言葉で覚悟が決まった。「心に響いた。いろんな問題を払拭(ふっしょく)する以上の重みを感じた。日の丸を背負う重みを感じて(リオへ)行きたい」。

 世界ランキングは日本勢4番手の107位。松山、谷原の辞退で繰り上がった形だが「今まで自分がやってきたことがあるから(出場できる)」とこだわりはない。

 日大の先輩である丸山ヘッドコーチの存在も大きい。「一緒に戦おう」と声を掛けられていたことを明かし「大学時代に唯一かなわないと思った存在。一緒に戦えることが男として幸せ」と感慨深げに言った。

 五輪に運命も感じていた。亡き父・太平さんは棒高跳びで国体出場の経験もある陸上選手。横浜市立大では陸上部主将だった。その太平さんが64年東京五輪で聖火ランナーを務めた。生前に当時の話を聞いたことはあったが、それほど興味は持たなかった。

 しかし五輪出場権争いが佳境に入った6月、自宅の模様替えの最中に聖火ランナーに配布された委嘱状と、トーチを手に走る太平さんの写真が見つかった時は違った感情が生まれた。「親父が“五輪に行け”と言っているような気がした」。リオでは開会式に参加し、他競技の観戦も希望。「人生の新しい一ページ。4年後の東京五輪で力になれるよう経験したもの、見たものを伝えたい」と言う。

 スピースも辞退し世界ランキングのトップ10のうち6人が出場しない。大会の価値を疑問視する向きもあるが、片山は違う。「フィールド(選手層)が薄いので出る人にはチャンス。メダルを獲りに行く」と目標を口にした。日本のため、先輩のため、亡き父のため、五輪の舞台に立つ。

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